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三菱重工、中国企業とバラスト水処理装置の設置改造で協業
三菱重工業は7日、中国の中船澄西新栄船舶有限公司と、就航船舶に対するバラスト水処理装置の設置改造事業に協力して取り組むことで合意し、協業に関する協定を締結したと発表した。
先進技術の導入により事業強化を目指す中船澄西新栄船舶と、エンジニアリング事業展開に力を注ぐ三菱重工の思いが一致した。三菱重工がバラスト水処理装置の設置をはじめ船舶改修工事の豊富な実績を通じて蓄積した高い技術力と、中船澄西新栄船舶の優れた改修対応力およびコスト競争力を組み合わせ、国際市場で優位な体制を築いていく。
今回の協業において、三菱重工と中船澄西新栄船舶は、バラスト水処理装置の機種選定から、設計、改造工事、営業までの全プロセスにわたり、緊密なパートナーシップを組んで対応する。三菱重工からは設置改造に必要な図面を供与するほか、必要に応じて指導員も派遣する。また、船舶改修を手掛ける三菱重工の船舶・海洋事業本部横浜工場(横浜市中区)で中船澄西新栄船舶の工事関係者の研修も行う。
同一船型の船舶について複数隻への設置改造を一括受注した場合、横浜工場での最初の工事に中船澄西新栄船舶側も参加して取り組むことでノウハウを共有。以後の工事については、原則として中船澄西新栄船舶の工場で手掛けることにより、短期に多くの工事を低コストで行えるようにする。
中船澄西新栄船舶は、中国国営で二大造船関連企業グループの一つである中国船舶工業集団公司の傘下企業で、江蘇省靖江市の長江沿いに本社工場を構えている。今回の協業交渉は三井物産の協力を得て行った。
バラスト水管理条約の発効により2017年に全面規制が始まると、船舶のバランスを保つための海水(バラスト水)を排出前に浄化するバラスト水処理装置の設置が、新造船と就航船に義務づけられる。規制対象となる船舶が多く、造船会社の中には新造船に特化し、既存の自社建造船に対するバラスト水処理装置の設置改造には対応しない方針を表明する企業も出ており、同規制への対応が造船・海運業界の大きな課題となっている。
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