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三菱重工、排煙脱硫装置技術をインド企業に供与 日本企業で初
三菱重工業は4日、インド国営のバーラト重電公社(Bharat Heavy Electricals Ltd.:BHEL)に排煙脱硫装置の技術をライセンス供与することで合意し、契約を締結したと発表した。
技術供与の対象となるのは、石炭火力発電ボイラーや産業用ボイラー向けの石灰石膏法および海水法排煙脱硫装置のEPC(設計・調達・建設)技術で、日本企業がインド企業に排煙脱硫装置の技術を供与するのは今回が初めて。
排煙脱硫装置は、石炭などを燃焼した際に発生する排ガスの中から二酸化硫黄(SO2)などを取り除いて浄化するプラントで、三菱重工の技術は排ガスと吸収液の接触効率を向上させる液柱塔を採用し、高いSO2吸収性能を発揮するのが特徴となっている。
今回の契約締結は、インドで予想される今後の環境規制強化に先立って先進の技術を導入し、市場の主導権を握っておきたいBHELと、この分野の急成長が期待される同国市場参入への足掛かりを得たい三菱重工の思いが一致したことによるもの。
インドでは、電力の60%強に当たる約1億kWが石炭火力によって賄われているが、経済の発展に伴い、第12次5か年計画(2012~2017年)でさらに約8,000万kW規模の石炭火力の導入が計画されている。現状ではSO2規制が未だ本格化していないため排煙脱硫装置の設置は限定的だが、大気汚染問題などが深刻化していることから環境規制強化の動きもあり、排煙脱硫装置の需要拡大が見込まれている。
BHELは国内に14の工場を持つインド最大の重電機メーカー。ボイラー、蒸気タービン、ガスタービン、水車、発電機、送電設備などの多様な機器・設備の製作・供給からターンキー方式による発電所の建設までを手掛け、同国内向け火力発電設備では圧倒的なシェアを誇っている。また、三菱重工との関係も良好で、三菱重工は2007年から同社に対し火力発電所用各種ポンプの技術をライセンス供与している。
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