トヨタ、次期プラットフォーム開発へ 部品・ユニット共用化で開発効率向上

2013年3月28日 11:12

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 トヨタ自動車は27日、これからの「もっといいクルマづくり」に向け、商品力の飛躍的向上と原価低減を同時に達成するトヨタの新しいクルマづくりの方針「Toyota New Global Architecture(TNGA)」の具体的な取り組み状況を公表した。

 トヨタは商品力の向上を目指し、クルマを骨格から変え、低フード化、低重心化を実現し、かっこいいデザイン、良好な視界確保、運動性能の向上など、顧客の感性に訴えるクルマとなるよう次期プラットフォームを開発し、2015年に発売する新型車より順次導入する。まずは「走る」・「曲がる」・「止まる」に関わる基本部位(プラットフォームやユニットなど)の性能をレベルアップし、「もっといいクルマ」の実現を目指す。また、クルマの中核となるパワートレーンユニットについても、低重心・高性能なユニットを新開発し、順次搭載していく。

 TNGAの開発プロセスでは、まず中長期の商品ラインアップを確定し、それらに搭載するユニットやその配置、ドライビングポジションなどをトヨタの「アーキテクチャー」(クルマづくりの設計思想)として定める。そして、定められた「アーキテクチャー」に基づき、複数車種の同時開発を行う「グルーピング開発」により部品・ユニットの共用化を進め、「もっといいクルマづくり」と開発の効率化を推進する。なお、部品・ユニットにより異なるが、TNGAの導入により20~30%の開発効率向上を目指し、その結果として得られたリソーセスをさらに「もっといいクルマづくり」に投入していく。

 また、仕入先と調達(部品・ユニットの調達を担当する部門)・生産技術(生産技術を担当する部門)・技術(研究・開発を担当する部門)の各部門が四位一体の活動により、“よりつくりやすく、よりシンプルな”、部品・ユニットの構造を実現する。これにより、シンプルでコンパクトな製造工程づくりができ、これまで以上に一つひとつの部品をつくりこみ、より高い品質を確保することを目指す。

 さらに、従来はトヨタ専用規格に準じた部品開発であったが、今後は多数の自動車メーカーがグローバルに採用している標準部品も採用できるよう、グローバル標準規格に対応していく。

 そのほか、調達部門では、「グルーピング開発」による部品・ユニットの共用化に対応し、複数の車種をまとめて、グローバルに車種・地域・時間をまたいだ「まとめ発注」を実施し、さらなる競争力確保を進めていく。

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