メタンハイドレート層からメタンガスの産出を確認、JOGMECが発表

2013年3月12日 19:07

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 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、渥美半島~志摩半島沖(第二渥美海丘)おいて第1回メタンハイドレート海洋産出試験の準備作業を進めてきたが、3月12日に減圧法によるガス生産実験を開始し、メタンハイドレート層からの分解ガスとみられるメタンガスの産出を確認したと、12日発表した。今後JOGMECでは、ガス生産実験を継続するとともにデータの分析を進めていくという。

 メタンハイドレートは低温高圧の条件下でメタン分子と水分子が結合して生成する氷状の物質。分解して発生するメタンガスを資源として利用することが期待されている。永久凍土地域の地下や水深500m以深の海域の海底面下に存在する。

 メタンハイドレートは将来の天然ガス資源として注目されており、東部南海トラフ海域(静岡県から和歌山県の沖合にかけた海域)をモデル海域として地震探査・試掘などの調査を実施した結果、同海域において日本のLNG輸入量(2011年)の約11年分に相当する量のメタンハイドレートの賦存が確認されている。

 第1回メタンハイドレート海洋産出試験は2年にわたって実施されており、昨年2月から3月にかけて事前掘削作業として生産井やモニタリング井の坑井掘削を行い、6月から7月にはメタンハイドレート層から圧力を保持したコアサンプル(地質試料)を含むコアの採取作業を行った。そして今回の作業では、掘削、実験機器設置等の準備作業を経て、メタンハイドレート分解によるガス生産実験を実施している。

 JOGMECなどはメタンハイドレートを分解させ天然ガスとして取り出す技術の開発を目指しており、今回の実験は世界初の海洋における実験となる。

 今回実施している第1回海洋産出試験は、商業生産ではなく調査段階の実験作業だが、成功すれば減圧法による海底面下のメタンハイドレートの生産状況や周辺環境への影響の把握など、将来のメタンハイドレートの実用化に向けた貴重なデータが得られることから、メタンハイドレートの資源開発研究にとって大きな前進となることが期待されている。試験の成果を活用し、今後予定されている第2回海洋産出試験の計画や、将来の商業生産に向けた技術基盤の整備(2016~2018年度を予定)を進めていく予定。

 なお、第1回メタンハイドレート海洋産出試験の事業主は経済産業省、実施主体はJOGMECでオペレータは石油資源開発(JAPEX)。使用船舶は地球深部探査船「ちきゅう」。今後3月末頃までにガス生産実験終了・生産実験設備撤収し、8月頃にモニタリング機器等の周辺設備を撤収する予定。

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