セコム、東電のデータセンター運営子会社を約333億円で買収

2012年9月27日 21:21

印刷

 セコムは27日、東京電力の子会社で国内最高水準のデータセンターを運営するアット東京の株式約50.9%を東電から取得し、アット東京を子会社化すると発表した。これにより、セコムグループ内に日本最大のデータセンターを保有することになり、「社会システム産業」の構築を目指すセコムグループの情報基盤を大きく強化することになる。なお、株式の取得価額は333億2,700万円。東電は引き続きアット東京株式の33.3%を保有する。

 セコムは、2000年からセコムグループで情報系事業を担うセコムトラストシステムズが、物理的なセキュリティと情報のセキュリティ面で最高水準を誇る「セキュアデータセンター」を開設。顧客のサーバーを最高度の安全で守るとともに、同センターを活用した多様なサービスを提供している。セコムグループは現在、複数地域に総延床面積約2万m2のデータセンターを保有しているが、東日本大震災後の需要は極めて旺盛であり、2013年10月にはさらに約7,000m2のデータセンターの開設を予定している。

 一方、今回グループ入りするアット東京は、規模・電源供給の安全性・セキュリティなどにおいて国内最高水準を誇るデータセンター。アット東京が有する総延床面積20万m2超は国内最大規模であり、同市場におけるリーディングカンパニーとして最高品質のデータセンターサービスを提供している。

 今後セコムは、アット東京が今年7月にオープンした約4万m2の新センターと、セコムが有するセキュアデータセンターを含む総延床面積合計約23万m2(国内1位)のデータセンターを保有することになり、「安全・安心」な社会インフラとしてデータセンターサービスを提供するとともに、高度なセキュリティや情報通信サービスの拠点として社会の旺盛なニーズに応えていく方針。

 特に、国家的・社会的な問題として早急な対応が求められているサイバー攻撃について、堅牢なデータセンターをサービス提供の重要拠点とし、技術力と機動力をベースにした「安全・安心」のサービスを本格的に展開する。また、システムオペレーション事業や危機管理サービス、セコムクラウドサービス(「セコム・安否確認サービス」、「セコムあんしんエコ文書サービス」、「セコム電子データ保管サービス」)、大量・非定型でリアルタイム性が高いビッグデータなどについても、堅牢なデータセンターを基盤として積極的に事業を推進していく。

 また、セコムのセキュアデータセンターならびにアット東京のデータセンターは、耐震性に優れた堅牢な建物構造、多重化された電源供給や通信インフラといった特性を有していることから、大規模災害時の首都復興に有効な体制の強化を促進していく。さらに、東日本大震災後のバックアップニーズや南海トラフ地震への備えとして、これを機に関西地区での大規模データセンター開設に向けて準備を進めていく。

関連記事