富士通セミコンダクター、LSI後工程製造拠点をジェイデバイスに譲渡

2012年9月3日 10:47

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 富士通セミコンダクターと株式会社ジェイデバイスは31日、富士通セミコンダクターの100%子会社である富士通インテグレーテッドマイクロテクノロジ(FIM)のLSI後工程製造拠点をジェイデバイスへ譲渡することに関して、基本契約を締結したと発表した。同契約は、両社が半導体製造事業における戦略的パートナーとして長期的な互恵関係を構築することを目的としており、年内の最終契約締結および取引完了を目指す。

 富士通セミコンダクターは、2009年にいち早く発表した独自のファブライト型事業モデルを追求することにより、事業基盤の強化と経営体質の改善に努めており、その一環として経済環境・事業環境の変化に対応した製造体制の最適化に継続的に取り組んでいる。一方、ジェイデバイスは、国内最大の独立系半導体後工程受託会社として更なる事業成長を目指していく上で、海外競合他社と同等以上のコスト競争力を達成することが必要不可欠であり、そのためには事業規模の拡大が最も重要であると考えている。今回、両社の目的と考えが一致し、後工程製造拠点の譲渡に関する基本契約締結に至った。

 今回の契約により、FIMの宮城工場と会津工場は今年内にジェイデバイスに譲渡され、同社の製造拠点となる予定。両工場の従業員は全員ジェイデバイスに転籍する予定。また、FIMの九州工場については、順次ジェイデバイスの九州地区工場に設備を移設し、最終的にはすべての製造を移管する予定。その際、既存製品は移管先の工場で従来と同じ品質での製造を継続する。同工場の従業員についてはジェイデバイスへの転籍、あるいは富士通グループ内における再配置等を進めていくことを予定している。

 なお、譲渡予定の後工程工場で製造される製品は、譲渡後も富士通セミコンダクターから従来と同等の品質・納期とサービスにて顧客に提供していく。

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