スズキのインド工場で暴動、死亡1人、負傷者41人が入院 工場は休業

2012年7月20日 10:21

印刷

 スズキは19日、7月18日の朝(インド現地時間)、同社のインド製造販売子会社「マルチ・スズキ・インディアリミテッド社」のマネサール工場(ハリアナ州)において、従業員が暴動を起こしたと発表した。

 スズキによると、休憩時間にインド人班長がインド人ワーカーに仕事のことで注意をしたところ、インド人ワーカーがインド人班長に暴力を振るってきたという。インド人班長はそのことを人事部に報告し、停職処分を決定。その後、インド人ワーカーは労働組合に救済を申し出、労働組合は停職処分の撤回を求めてきたという。

 同日15時ごろから一勤のインド人ワーカーが構内に集結し始め、この間、労働官と労働組合、人事部がマネサール工場内事務所で話し合いを行っていたという。その後、19時30分ごろ、約100人の暴徒化したインド人ワーカーが事務所に乱入し、事務所にいたスタッフに暴力を加えたという。その結果、死亡1人、負傷者は41人が入院し、46人が病院で治療したという。建物は、事務所と守衛所が放火されたという。設備については大きな被害は無いが、調査中であるという。

 また、暴徒は100人前後で、当初40人ほどの警察官が来たが、沈静化した後は検挙のため数百人の警官が敷地に入り調査を開始したという。

 スズキは、今回の暴動事件を受け、「今回の暴動が計画的に発生したのか、偶発的に発生した問題かを調査していく」、「このような行為は、国家や会社に対する暴力行為と受け止め、厳正な態度で臨む」とコメントしている。

 亡くなったインド人幹部はマネサール工場の人事部長であり、温厚な人物であったという。なお、事件の調査があるため19日に続き20日もマネサール工場は休業とする予定。

関連記事