野村HD、営業自粛やCEOの報酬50%減などを発表 インサイダー問題で

2012年6月30日 18:59

印刷

 野村ホールディングス(HD)は29日、傘下の野村証券の社員が公募増資の情報を外部に漏らし、インサイダー取引に絡んだ問題を受け、機関投資家営業部を7月2日から5営業日、シンジケート部エクイティシンジケート課の新規案件営業を7月2日から3営業日自粛すると発表した。また、信頼回復のための今後の営業のあり方、顧客との接触のあり方、職業倫理等に関する集中研修を行うこととした。

 さらに、機関投資家営業部の業務を見直し、同部を廃止すると共に、担当業務を他の複数の部署に移管する。新しい組織のもとで機関投資家向けのリサーチ営業の本旨を再認識の上、出直しを図る。あわせて、今回問題となった取引発生時の平成22年当時に在籍していた主な社員の人事処分および他業務への配置転換を行う等により、人員を一新する。関連部署に対してはコンプライアンスなどの集中研修を実施する。

 また、公募増資の公表前から株価が下落し、情報漏えいが疑われる場合において、野村証券が主幹事証券会社である場合、発行体との間で延期を含めて増資日程の再検討を行うこととした。

 加えて、今回の事案についての役職員の責任を厳粛に受け止め、野村HDグループCEO(最高経営責任者)の月例報酬を50%、6ヶ月間減給する。また、グループCOO(最高執行責任者)の月例報酬を50%、5ヶ月間減給する。

 そのほか、野村証券の経営責任(事案発生時および現在の野村証券)として、執行役会長・執行役社長の月例報酬を10%、2ヶ月間減給する。また、野村証券関係役員の管理責任(事案発生時)として、機関投資家営業担当役員とコンプライアンス担当役員が退任、エクイティ担当役員およびシンジケート担当役員については月例報酬を10%~50%、1ヶ月~3ヶ月間減給する。さらに、関係した社員およびその管理者は、社内規程にもとづき厳正に処分することとした。

関連記事