【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】ギリシャ問題でユーロ圏債務危機問題再燃に警戒感

2012年5月12日 18:05

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:5月7日~11日のユーロ・円相場】

■1ユーロ=102円70銭近辺に円が上昇する場面

  5月7日~11日のユーロ・円相場は、概ね1ユーロ=102円70銭近辺~104円40銭近辺のレンジで推移した。週末11日の海外市場で、終盤は1ユーロ=103円20銭~30銭近辺だった。

  6日の仏大統領選決選投票ではオランド氏が当選し、ギリシャ総選挙では連立与党が過半数割れとなった。ギリシャでは連立交渉が難航して6月の再選挙の可能性が高まり、ユーロ圏離脱の見方も広がった。こうした状況下で、世界的な景気減速やユーロ圏債務危機問題の再燃に対する警戒感を強め、ユーロ売りがやや優勢の1週間だった。

  ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末4日(東京市場は休場)の海外市場では1ユーロ=104円30銭台に円が上昇した。アジアおよび欧州の時間帯は東京市場が休場のうえに、米4月雇用統計を控えていたため、概ね1ユーロ=105円台半ばで小動きだった。しかし米国の時間帯に入ると、米4月雇用統計で非農業部門就業者数の増加が市場予想を大幅に下回ったことを受けてユーロ売り・円買いが優勢になった。6日の仏大統領選決選投票とギリシャ総選挙に対して警戒感を強めていることも、ユーロ売りにつながった。終盤は1ユーロ=104円40銭~50銭近辺だった。

  この流れを受けて7日の東京市場では1ユーロ=103円20銭近辺~90銭近辺で推移した。6日の仏大統領選決選投票とギリシャ総選挙の結果を受けて朝方はユーロ売り・円買いの動きが強まった。その後は1ユーロ=103円台半ばでモミ合う展開となったが、終盤は徐々にユーロ買い戻しがやや優勢となり1ユーロ=103円90銭近辺だった。7日の海外市場では概ね1ユーロ=103円80銭台~104円30銭台で推移した。欧州や米国の株式市場が落ち着いた動きだったこともあり、欧州の政局不安に対する過度な警戒感につながらず、ユーロ買い・円売りがやや優勢だった。終盤は1ユーロ=104円20銭~30銭近辺だった。

  8日の東京市場では概ね1ユーロ=104円10銭近辺~40銭近辺で推移した。ユーロ買い戻しが一巡して小動きだったが、午後はユーロ売り・円買いがやや優勢になった。終盤は1ユーロ=104円10銭近辺だった。8日の海外市場では概ね1ユーロ=103円50銭台~104円10銭台で推移した。ギリシャ連立交渉が難航しているため、EUとIMFによる支援枠組みの崩壊に対する警戒感を強め、リスク回避のユーロ売り・円買いが優勢になる場面があった。その後はユーロ買い戻しの動きも見られた。終盤は1ユーロ=103円80銭台だった。

  9日の東京市場では概ね1ユーロ=103円30銭近辺~90銭近辺で推移した。ギリシャの政局不透明感やユーロ圏離脱懸念などで、ユーロ売り・円買い優勢の場面があった。終盤は1ユーロ=103円70銭近辺だった。9日の海外市場では1ユーロ=102円70銭近辺に円が上昇する場面があった。ギリシャ政局不透明感に加えてスペイン国債利回りが6%台に上昇したため、リスク回避のユーロ売りが優勢だった。その後はEFSF(欧州金融安定基金)がギリシャ向け42億ユーロ融資を10日に予定どおり実行すると発表したことを受けて、ユーロ買い戻しがやや優勢となり終盤は1ユーロ=103円00銭近辺だった。

  10日の東京市場では概ね1ユーロ=102円90銭台~103円30銭台で推移した。中国4月貿易統計発表後にユーロが弱含む場面もあったが、概ね小動きだった。終盤はユーロ買い戻しが優勢となり1ユーロ=103円30銭台だった。10日の海外市場では概ね1ユーロ=103円10銭台~70銭台で推移した。過度な警戒感が和らぎユーロ買い戻しがやや優勢になった。終盤は1ユーロ=103円40銭近辺だった。

  11日の東京市場では概ね1ユーロ=102円90銭台~103円40銭台で推移した。中国4月小売売上高や中国4月鉱工業生産が市場予想を下回ったことでユーロ売り優勢の場面もあったが、終盤は1ユーロ=103円10銭台だった。11日の海外市場では概ね1ユーロ=103円10銭台~50銭台で推移した。ギリシャ政局不透明感や景気減速懸念が強い状況だったが、概ね小動きだった。終盤は1ユーロ=103円20銭~30銭近辺だった。

  ユーロ・円相場に関しては、4月27日の日銀金融政策決定会合の追加緩和策決定で材料出尽くし感が広がり、ユーロ売り・円買い優勢の流れとなった。さらに6日の仏大統領選決選投票とギリシャ総選挙の結果、その後のギリシャの政局不透明感やユーロ圏離脱懸念などで、リスク回避のユーロ売り・円買い優勢の状況となっている。

  スペインやイタリアの国債利回り動向に神経質な状況にも変化がなく、ユーロ圏の景気減速に対する警戒感が強いことも、ユーロ売り・円買いの動きにつながっている。

  来週以降のスケジュールとしては、14日のユーロ圏財務相会合、15日の独第1四半期GDP速報値、ユーロ圏第1四半期GDP速報値、EU財務相理事会、独メルケル首相と仏オランド新大統領の会談、16日の米FOMC議事録(4月24日~25日分)発表、17日の日本1~3月GDP1次速報値、22日~23日の日銀金融政策決定会合、23日の日本4月貿易統計、ユーロ圏3月経常収支、EU首脳会議などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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