三井物産、英で石油・ガスや再生エネルギーの海洋構造物組立事業に参画

2012年4月17日 11:13

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 三井物産は16日、欧州三井物産を通じて、英国スコットランドのグローバル・エナジー・ホールディングス社と、石油・ガスを中心としたエネルギー資源開発関連向け溶接構造物のファブリケーション(組立・鋼材加工)、検査・修繕、技術支援等の各種サービス事業に進出すると発表した。

 三井物産は、グローバル社創業家のマクレガー一族と合弁会社(以下、GEG社)を設立、25%出資することに合意し、3月30日に契約を締結した。GEG社は、エネルギー資源開発関連向け以外の事業・会社を分離したグローバル社を保有する持ち株会社となる。

 グローバル社は2005年に設立され、大手石油会社やエンジニアリング会社向けの石油・ガス掘削・生産設備など溶接構造物の組立・鋼材加工やその修繕を行うハード力と、検査・技術支援などのサービスを提供するソフト力を兼ね備えたビジネスモデルで急成長している。昨年11月には、英国インヴァネスにある欧州最大級のドライドック(船舶・海洋構造物の建造・修繕を行う設備)を持ち、広大な敷地と工場建屋面積を誇るニグ・ヤードを買収した。これにより、従来の石油・ガス業界向けには、より大規模な構造物の組立や修繕が可能となるほか、今後欧州で一大産業として期待される再生可能エネルギー分野へも参画する予定。

 北海の石油・ガス開発や生産活動は、現在高止まりしている原油価格を背景に高レベルで推移しており、同海域での石油・ガスの掘削や生産設備の検査・修繕需要は今後安定的な伸長が見込まれるという。また、欧州での脱炭素化の流れの中で、英国では合計約47GWに及ぶ洋上風力発電所建設計画があり、こちらも新たな一大産業として注目されている。

 三井物産は、欧州においてもエネルギー鋼材の販売を積極的に進めており、グローバル社の持つ溶接構造物組立・鋼材加工、検査・修繕、技術支援等の機能を併せ持つことにより、エネルギー産業向けに更に幅広い付加価値サービスを提供すると共に、再生可能エネルギー分野においても同様の溶接構造物組立・鋼材加工、技術支援事業への参画を目指す。

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