ソニー、国内外で1万人の人員削減を実施 事業ポートフォリオも見直し

2012年4月12日 17:58

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 ソニーは12日、2012年4月1日付で発足した新経営体制の下での経営方針を発表した。その中で、本社組織・事業子会社・販売体制を再構築し経営のさらなる健全化を図っていくとし、ソニーグループ全体で、2012年度に全世界で約1万人の人員削減を見込んでいると発表した。この中には、事業ポートフォリオの見直しの結果による事業譲渡などによってグループ外へシフトする人数も含まれており、これらの領域ではグループ外での事業の成長を期待するとともに、事業譲渡先で雇用が維持される仕組みを追求していく方針。なお、2012年度には構造改革費用として、約750億円を計上する見込みだという。

 事業ポートフォリオの見直しに関しては、事業の選択と集中を加速し、重点領域・新規領域に向けた投資を強化する。投資に関しては、重点領域としてイメージセンサーの生産能力拡大やモバイル機器向け設備投資を、また新規領域であるメディカル事業などにおける開発、M&Aなどの戦略投資を積極的に検討していく。

 一方、それ以外の事業領域においては、「損失計上、低収益又は営業キャッシュフローがマイナス」、「重点事業領域に対するシナジーが小さい」、「製品のコモディティ化が進み、成長が見込めない」、「ソニー単独での事業継続より他社との提携の方が再生・成長の可能性が高い」の4つのポイントを軸に事業性を判断し、提携や事業譲渡などの可能性も積極的に追求し、事業ポートフォリオの組み換えを実施していく。

 例えば、中小型ディスプレイ事業及びケミカルプロダクツ事業に関しては、グループ外への事業譲渡を実施済みあるいは提携にむけた他社との協議を開始している。さらに、電池事業のうち、電気自動車(EV)向け及び蓄電用途の製品に関しては、他社との提携も検討していくという。

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