NEC、米コンバージズ社の事業支援システム事業を約370億円で買収 

2012年3月22日 17:33

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 NECは22日、通信サービス事業者向け通信ソリューションの強化のため、米Convergys Corporation(コンバージズ社、本社:米国オハイオ州)が有する業界大手の事業支援システム(BSS:Business Support Systems)事業の買収に関する契約を本日締結したと発表した。買収金額は約4億5千万ドル(約370億円)で、買収手続きは2012年4~6月期に完了予定。

 コンバージズ社は、実績のある事業支援システムと優れたサービスにより、大手通信事業者の間で国際的に高い評価を得ている。NECは、約2,500人の人材と世界で150社以上の顧客を有するコンバージズ社の事業支援システム事業を取り込むことで、世界各地の通信サービス事業者の、課金管理、顧客サポート管理、利用料収入管理などの次世代の基盤を実現することができる。

 買収後、コンバージズ社の事業支援システム事業を、NECが2008年6月に買収した子会社NetCracker Technology Corporation(ネットクラッカー社)が責任を持って一体的に運営する。ネットクラッカー社の通信事業者向け運用支援システム(OSS:Operation Support Systems)を中核とする通信運用システム(TOMS:Telecom Operation & Management Systems)に、事業支援システム(BSS)の人員、ソフトウェア、サービスを加えることにより、運用を外部委託するマネージド・サービスでも自前のシステムでも、クラウドを介して事業支援システム(BSS)/運用支援システム(OSS)ソリューションを利用できる強力な製品ラインアップを提供する。

 スマートフォンの急速な普及にともなうデータ通信の急増を受け、通信インフラ機器への投資は増加傾向にあるが、通信サービス事業者は新たなサービスによる収入増やネットワーク事業運営の効率化をもたらすソフトウェアやサービスへの投資を拡大している。この領域の設備投資の成長率は、インフラ機器の設備投資の成長率を上回ると見込まれ、特に海外の通信事業者においてこの傾向が顕著に現れている。

 NEC、ネットクラッカー社と今回買収するコンバージズ社事業支援システム事業のソフトウェア、サービス、データセンター、研究開発投資を組み合わせると、これまでにない規模の通信ソフトウェア事業となる。これにより、業界で最も包括的な通信運用システムソリューション・サービスを世界中で提供可能となる。

 今回の買収は、NECの事業領域を補完、強化し、変化の早い市場環境で通信サービス事業者の事業競争力を強化する通信業界のニーズに合致したトータルソリューションの提供というNECのこれまでの取り組みを加速するもの。NECでは、運用支援システム(OSS)、事業支援システム(BSS)を中核とした通信サービス事業者向けソフト・サービス事業を海外を中心に展開していく。

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