トヨタ、次世代小型HVコンセプト「FT-Bh」を発表 テーマは「ECOMOTION」

2012年3月7日 11:13

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FT-Bh リア(画像:トヨタ自動車)

FT-Bh リア(画像:トヨタ自動車)[写真拡大]

  • FT-Bh(画像:トヨタ自動車)
  • FT-Bhインパネ全景(画像:トヨタ自動車)

 トヨタ自動車が「第82回ジュネーブ国際モーターショー」に出展した、軽量・低燃費の次世代スモールハイブリッドコンセプト「FT-Bh」のテーマは、”ECOMOTION(Eco+Emotion)”。同コンセプトカーは、高い環境性能に加え、優れたレスポンスと軽快な操作性によりドライビングの楽しさをも提供すべく企画された。

 空車重量は786kgを達成。量販低燃費車を想定して、カーボンファイバーなどの高価な材料を使うことなく、高張力鋼板(ハイテン材)の使用拡大などによりボディ構造を軽量化。また、室内熱マネージメントのために内装材に採用した新しい高発泡材料は、内装材の軽量化にも寄与し、それがボディ骨格、シャシー、パワートレーンなど全ての部品の軽量化につながっている。

 4m以下の全長と大人4人が快適に座れる室内空間を確保しながら、空気抵抗係数(Cd)0.235という優れた値を実現。タイヤは転がり抵抗の低減に有効な大径で、空気抵抗の低減と軽量化にも貢献する細幅を新開発(145/55R18)した。

 また、低燃費化における高い目標を達成するため、新たにロングストロークの1L、2気筒、アトキンソンサイクルのガソリンエンジンを開発。ハイブリッドシステムの効率向上と合わせて、NEDCでCO2排出量49g/kmという極めて高い環境性能を実現した。

 内装やシートなどの材質の軽量化と内装材への高発泡断熱材の利用により、車両室内の温度調節に要する熱容量を低減。さらに、少人数乗車時に必要な空間のみを空調する「エアゾーニング」を採用するなど、室内全体の熱マネージメントを徹底。また、高効率エンジンでは排熱量が減少するため、暖房時にはエンジン内部および排気の熱を活用する。

 さらに、ヘッド、テールランプや室内灯などへのLED採用に加え、パワーウィンドゥなど電動部品の消費電力や待機電力の削減などを徹底的に行い、通常のBセグメント車に比べ消費電力を半減している。

 デザインは、EcoとEmotionが両立する“ECOMOTION”をキーワードに、風の流れを感じさせるエモーショナルな造形で高い空力性能を表現した新たなデザインとした。外形は空力を追求したフォルム。ボディ全体が大きな砲弾型を形成し、フロントガラス前出しのロングルーフシルエットと、視界をさえぎらない細幅ピラーにより軽快で伸びやかなプロポーションを実現した。フロントは、フェンダー一体の縦型ランプと大型のアンダーグリルにより、整流効果と冷却性能を両立させた次世代トヨタフェイス ”KEEN LOOK” を表現。また、リアエンドに向けて絞り込まれたボディと後端を蹴上げた床下形状など、空力特性を最適化した造形でCd値を低減する。

 インテリアは、乗車人数にあわせて必要な空間のみを空調する「エアゾーニング」を空間構成のコンセプトに、布をピンと張ったような「張力」を表す造形でエモーショナルに表現。超薄型シェル構造シートの採用により快適な乗り心地を実現するとともに、リア席の足元空間を拡大。内装材には軽量で通気性の高い素材を使用することで室内熱マネージメントにも寄与している。インパネ奥に設置したセンターディスプレイには、ボディに設置した3台のカメラからの後方画像を表示できる。インナーミラーには、接近車両の画像に注意喚起情報を合成表示(アンビエント重畳表示)することで、安全性を向上している。

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