SUMCO、ソーラー用シリコンウェーハ事業から撤退 工場閉鎖や人員削減を実施

2012年2月2日 21:49

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 半導体用シリコンウェーハの製造・販売を展開するSUMCOは2日、世界経済の低迷や半導体の大幅な生産調整が生じたためシリコンウェーハ需要が激減し、さらに、歴史的な円高水準の定着を受けて、第4四半期が大幅な赤字になる見込みとなったことを受け、ソーラー用シリコンウェーハ事業からの撤退や、半導体用シリコンウェーハ事業の生産拠点の再編と集約、生産体制再構築に伴う要員体制の見直しなどを実施する事業再生計画を発表した。

 ソーラー用シリコンウェーハ事業については、昨年春以降、急速に需給環境が悪化するとともに、大幅な価格下落が継続しており(2011年1月と比較して70%の下落)、多額の損失を計上する見込みとなった。今後も構造的な供給過剰により、収益の回復は困難と判断、撤退を決断した。今後は、半導体用シリコンウェーハ事業に経営資源を集中し、収益基盤を強化することで事業環境の変化への対応力を高め、高精度なシリコンウェーハの安定供給を通じて、企業価値の向上を図る。

 ソーラー用シリコンウェーハ事業からの撤退に伴い、伊万里ソーラー工場を閉鎖するほか、太陽電池用シリコンウェーハを製造する連結子会社のSUMCOソーラーと水俣電子を解散および清算する。事業撤退に伴う費用として180億円を計上する。

 さらに、連結人員の15%に当たる約1300人を対象に要員施策を実施し、人員削減を図る。

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