ソフトバンク、プサンデータセンターが竣工 震災後のバックアップ体制を強化

2011年12月8日 16:28

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プサンデータセンター外観(画像:ソフトバンクテレコム)

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 ソフトバンクテレコムは8日、韓国最大の通信事業者KT Corporation(本社:韓国ソウル市)と合弁で、データセンターサービスおよびクラウドコンピューティングサービスを行う合弁会社「kt-SB data service Co. Ltd」を設立し、本日、慶尚南道金海市に建設していたプサンデータセンターが竣工したと発表した。データセンターは年内に試験運転を開始し、来年1月には日本国内におけるデータセンターサービス提供価格よりも約50%安価な価格設定で正式サービスを開始する予定。

 「kt-SB data service Co. Ltd」は、ソフトバンクテレコムとKT社が、東日本大震災後の急増するデータセンター需要および国内電力需給状況に応えるとともに、国内広域災害に対するバックアップ体制を強化し、日本企業の事業継続と産業復興を支援することを主な目的として2011年11月に設立した。「kt-SB data service Co. Ltd」は、日本から最も近く、低廉かつ安定した電力が供給される韓国内において、当初は日本と同等の高い品質のデータセンターサービスを提供し、今後は大容量バックボーンに支えられた高速で安全な通信環境を活用したクラウドコンピューティングサービスも提供する予定。

 プサンデータセンターは、ソフトバンクテレコムとKT社が通信事業者としてそれぞれ培ってきた運用ノウハウを融合し、万全なセキュリティ環境と事業継続のために必要な最新のデータセンター機能を備えている。電力供給の安定性確保においては、異なる2カ所の変電所からの異ルートでの本線・予備線による受電のほか、24時間以上の非常用発電設備を備えるとともに、燃料供給体制も確保している。また、データセンター内にはシステム制御室、サーバー室、電源室、ダクト室に加え、サービスを利用している企業のためのオフィス環境も提供する。

 ソフトバンクテレコムとKT社は今回の共同事業の開始にあたり、日本-韓国間に冗長化されたデータセンターサービス専用の大容量の国際回線を用意して両国間の高速通信を実現し、この回線を経由してプサンデータセンターにバックアップされたデータを活用することで、国内での事業の継続を支援する。また、同データセンターを核としたアジア地域への最短のインターネットルートを新たに確保することで、拡大するアジアでの日本企業の事業活動に対応し、今後は東アジアのハブ・データセンターとして利用できるサービスの提供も目指していく。

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