NEC、海外受注の海洋総合観測システムの敷設据付工事を完了

2011年11月15日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 NECは、海外で初めて受注した海洋総合観測システムの敷設据付工事を完了。同システムは、地震観測強化および周辺の環境観測を目的としており、台湾東方沖地震の想定震源域の観測のため、台湾中央気象局から、NECが2009年9月に受注したという。

 海洋総合観測システムは、深さ約300メートルの海洋観測点に地震計や津波計などの海底観測機器等を配置し、それぞれの機器からのデジタル情報を海底ケーブル内の光ファイバーによって24時間リアルタイムで地上に送るもの。今回は、台湾東方に位置する頭城(トウチェン)から全長45kmの海底ケーブルを敷設し、ケーブルの先端にはノード(拡張型分岐装置)1台を装備。ノードには広帯域地震計、強振計、水晶水圧計、塩分濃度計、ハイドロフォン(水中マイク)各1台が接続している。ノードを用いることにより、地震・津波だけではなく、海底の環境など、総合的な海洋観測が可能。また、ノードとの接続に水中で着脱可能なコネクタを採用したことにより、必要に応じた新たな観測装置の追加、および観測装置が故障した場合の交換が容易となっている。

 なお、同システムは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が文部科学省からの委託研究「地震・津波観測監視システム構築」により実施した「海底ネットワークシステムの開発」での技術開発の成果を基本にしている。

 NECは、1979年に日本で初めて東海沖のケーブル式常時海底地震観測システムの供給に始まり、日本周辺海域9ヵ所に敷設されているケーブル式海底地震・津波観測システムの全てを設計から敷設工事まで一括して行ってきた。また、納入したシステムは現在まで無事故で、この度の東日本大震災の際にも、貴重なデータを地上の観測センターに送り続けている。今回の実績を活かし、今後もこのシステムを展開することで、世界の地震観測に貢献していく。

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