川崎重工グループの日本飛行機 南極向け風力発電装置を受注

2011年5月18日 11:59

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日本飛行機が2009年3月に納入した運用試験用20kW縦軸型風車(仁賀保高原)

日本飛行機が2009年3月に納入した運用試験用20kW縦軸型風車(仁賀保高原)[写真拡大]

 川崎重工グループの日本飛行機は17日、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構の国立極地研究所(以下、極地研)が南極に設置する20kW級風力発電装置を受注したと発表した。今年9月末に納入し、南極観測船「しらせ」で11月に南極昭和基地に運ばれた後、第53次南極観測隊によって設置・運用される。

 受注した風力発電装置は、小型の縦軸型風車で、日本飛行機が航空機メーカーとして培った設計製造技術を生かして独自に開発したもの。ビルの屋上や工場敷地などに設置するのに適した多くの特長を有し、5kW、10kW、20kWの3タイプがある。今回南極への導入に当たり、20kWタイプに寒冷地向けの特別仕様を加えた。

 これまでに、極地研では、昭和基地での風力発電設備設置に向けて、風速条件が南極昭和基地と類似している秋田県にかほ市仁賀保高原に風力発電装置を設置し、運用試験を行ってきた。日本飛行機は、同試験用の風力発電設備を2009年3月に納入しており、今回は2台目の受注となる。先に納入した風力発電装置は、仁賀保高原で2009年4月以降、約2年間の試験を行い、累計1万時間以上の運転時間を積み重ね、現在も稼動中だ。 

 なお、南極昭和基地では、現在、「再生可能エネルギー活用と環境保全対策」を推進中であり、今回、この一環として、風力エネルギーを利用した風力発電装置を設置し、ディーゼル主発電機系統との連系運転を行う計画だという。

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