ルネサスエレクトロニクス那珂工場、6月15日に生産再開へ

2011年4月23日 23:05

印刷

 大手半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは22日、東日本大震災の影響により現在稼動を停止している那珂工場(茨城県ひたちなか市)の操業を、6月15日から再開すると発表した。当初は「7月から一部限定での生産再開を目指していた」(同社)が、約一ヶ月前倒しする。主に自動車向け車載マイコンを生産していく方針。

 生産を再開するのは200mm生産ライン。グループ内外から2000人以上が集められ、早期再開にこぎつけた。4月23日から試験生産を始める予定。これまでは、ルネサスエレクトロニクス西条工場(愛媛県西条市)、ルネサス北日本セミコンダクタ津軽工場(青森県五所川原市)、ルネサス山形セミコンダクタ鶴岡工場(山形県鶴岡市)などで、那珂工場の生産製品を代替生産していたほか、ファウンドリ(半導体チップの製造を専門に行う企業)への生産委託により不足分を補っていた。

 200mmライン、300mmライン双方の製品の生産が代替生産を含めて震災前のレベルに復旧する時期については、5月中旬ごろに発表するという。

 同社は自動車向け車載マイコンの世界最大手。震災の影響で自動車のサプライチェーン(供給体制)が崩れていたが、那珂工場の操業再開に伴い、今後各自動車メーカーの生産拡大が期待される。

関連記事