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文房具業界、高付加価値商品の開発で、利益率向上を目指す
ここ数年、ボールペンの国内市場は、経済産業省や財務省の統計から算出した出荷ベースでも300億円前後を推移している。売れ筋としては、100円未満の安価なものが国内外問わず販売数をアップさせているが、消せるタイプや書きやすさを求めた機能品など、高付加価値の商品も安定した出荷数を誇っているという。
国内のボールペンの代表的企業は、三菱鉛筆 <7976> とパイロットコーポレーション <7846> などがあげられるが、どちらも売上は頭打ちの状態。しかしここ数年、利益率が安定している点が似通っている。その理由として考えられるのが、原価削除と高付加価値化。例えば、同じ製品を製造するにしても、海外から原材料を調達したり、製造販売過程の合理化でコストを削減するなどの方法を取っているようだ。また、付加価値の高い商品を開発することで、多少値段が高くても消費者の気を引くことが考えられ、購買につながる。
高付加価値商品として三菱鉛筆は、2000年に150年の歴史を刻んだ良質なウイスキー樽(オーク材)をペン軸に再利用した人気の『ピュアモルトシリーズ』から、"クセになる、なめらかな書き味"で大好評の「ジェットストリームインク」を搭載した多機能ペン『ピュアモルトジェットストリームインサイド』の5機能タイプと3機能タイプを11月29日より全国で発売する。
また、パイロットは一定以上の温度になると色が消える独自のフリクションインキを使用した「消せるボールペン」が発売以来、好調な売れ行きを示している。ノック式も登場するなど使い勝手も向上し、本年度も顕著な売上を示しているという。
パソコンや携帯電話、iPadなどが日常生活の筆記用具的な役割を示しているなかで、筆記用具の使用機会がかなり少ないのは明らかだ。しかし、この1本という付加価値をもった商品なら、購入意欲を掻き立て、販売増数につながると考えられる。
(編集担当:宮園奈美)
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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