小林製薬紅麹事件研究解説 最初に問うべきはモナコリンKへの曝露量ではないか ─プベルル酸一元論に先立ち、スタチン様物質の過剰曝露・薬物相互作用を検証すべし

プレスリリース発表元企業:株式会社薫製倶楽部

配信日時: 2026-04-30 11:00:00

小林製薬紅麹事件研究解説 最初に問うべきはモナコリンKへの曝露量ではないか ─プベルル酸一元論に先立ち、スタチン様物質の過剰曝露・薬物相互作用を検証すべし


株式会社薫製倶楽部(岡山県都窪郡早島町)は2026年4月30日、自社ウェブサイトに小林製薬紅麹事件研究解説 朝日新聞報道への見解─ 最初に問うべきはモナコリンKへの曝露量ではないか ──プベルル酸一元論に先立ち、スタチン様物質の過剰曝露・薬物相互作用を検証すべし─ を公開した。

株式会社薫製倶楽部(岡山県都窪郡早島町)は2026年4月30日、自社ウェブサイトに小林製薬紅麹事件研究解説 朝日新聞報道への見解
─ 最初に問うべきはモナコリンKへの曝露量ではないか ─
─プベルル酸一元論に先立ち、スタチン様物質の過剰曝露・薬物相互作用を検証すべし─
を公開した。
 

▼対象記事URL

https://kunsei.com/archives/782
令和8年4月 株式会社薫製倶楽部
「我々紅麹業界に何が起こったか」

㊸ 朝日新聞報道への見解
─ 最初に問うべきはモナコリンKへの曝露量ではないか ─
─プベルル酸一元論に先立ち、スタチン様物質の過剰曝露・薬物相互作用を検証すべし─


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4NzA5MSMzNzM3MDcjMzczNzA3X2FiOWQyYzFhMDJhNGI0MTRlYzBiNWUxZTRiNjY3NmJlLnBuZw.png ]

1 紅麹に何が含まれているか ─ 大半の人が知らない基礎知識
報道で「紅麹」という言葉が繰り返されているが、紅麹菌が何を産生するかを正確に理解している人は、一般にはほとんどいない。紅麹菌(Monascus purpureus)が産生する主要成分は以下の3つである(図参照)。

(参考:小林製薬バリューサポート株式会社「紅麹の成分と作用」をもとに作成 https://www.kobayashi-vs.co.jp/benikoji/component.html
【事実1】食品紅麹と小林製薬製品のモナコリンK含有量の差
当社が以前、小林製薬バリューサポートに確認したところ、一般的な食品紅麹のモナコリンK含有量は微量にとどまるとの回答を得た。食品として古来から流通してきた紅麹が健康被害を起こしてこなかったこととも整合する。一方、小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」(機能性表示食品)は、コレステロール低下を訴求する目的でモナコリンKを1日摂取目安量あたり2 mgを含有する設計であり(1日3粒)、これは食品紅麹とは本質的に異なる。
【事実2】製品間の含有量のばらつき ─ 最大100倍
Gordon et al.(2010)が市販の紅麹サプリメント12製品を分析した結果、モナコリンK含有量は0.10〜10.09 mg/カプセルと、製品間で約100倍のばらつきがあることが確認されている(Arch Intern Med 2010;170:1722)。サプリメントである以上、医薬品のような均一性管理は行われておらず、「同じ製品を同量服用しても個人の曝露量は大きく異なる」という現実がある。なお2001年にHeber et al.(2001)が先行した9製品(中国産紅麹サプリメント)の分析でも、モナコリンK含有量に約22倍のばらつきが報告されている(J Altern Complement Med 2001;7:133)。
【事実3】紅麹マトリックスによる吸収性の増大 ─ 小林製薬自身が公表
小林製薬中央研究所は事件前、自社ウェブサイトにおいてラット試験の結果を公表していた(Wayback Machine保存;Fukami et al. 2021, Molecules 26, 1619に収録)。同試験では、同量のモナコリンKを「純粋標準品(ラクトン型、純度99%)」として与えた場合と「紅麹食品マトリックス(固体培養法)」として与えた場合をSDラット(N=3/群)で比較している。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4NzA5MSMzNzM3MDcjMzczNzA3X2U5MDdhODM5MjE0MzQ0MGI2YmVjYWYyMTJmOTg3MzAyLnBuZw.png ]

(出典:小林製薬中央研究所HP「有用成分モナコリンKの吸収性の検証」Wayback Machine保存 https://web.archive.org/web/20250615171610/https://research.kobayashi.co.jp/material/benikoji/benikoji_report02_1.html
同資料はまた、ヒト臨床研究において「紅麹5〜6 mg/日が医薬品ロバスタチン20〜40 mg/日と同等のコレステロール低下作用を示す」と記述しており、mgあたりの実効曝露量として実質的に数倍の差が存在することを、小林製薬自身が事前に認識・公表していたことになる。

以上3点の事実が示すこと:


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4NzA5MSMzNzM3MDcjMzczNzA3X2Q0MTcwMDE0OTU0ZDdjYmJhZmMyODc4M2FmZmNjMjNhLnBuZw.png ]

※ 小林製薬中央研究所のラット試験はN=3と小規模であり、ヒトへの直接外挿には限界がある。しかしだからこそ、ヒトを対象とした曝露量の実測が事件後直ちに行われるべきであった。それが行われていない点が問題の核心の一つである。
2 朝日新聞が報じた健康被害の実態
朝日新聞(2026年4月28日付)の報道によれば、小林製薬の紅麹サプリ関連として医療機関を受診した事例(2026年4月26日時点)は3,402件に上り、うち「腎関連疾患のみ」が2,240件、「それ以外」が1,162件存在する。受診者の3割以上が腎疾患以外の症状を訴えており、心臓への影響(薬物性心筋症疑い)を含む深刻な事例も報告されている。
紹介された50代女性の事例(動悸・息切れ、薬物性心筋症疑い、骨折を伴う転倒、就労困難)は、モナコリンK過剰摂取またはモナコリンKとCYP3A4阻害薬・食品との薬物相互作用によって十分に説明可能である。スタチン系薬の既知の副作用として、横紋筋融解症、ミオパシー、肝機能障害、そして薬物性心筋症が報告されていることは、医薬品分野では常識である。
3 「プベルル酸一元論」が見落とすもの
国および小林製薬は、「腎障害の原因はプベルル酸」という枠組みで調査・補償を進めている。しかし当社が一連の情報公開請求で明らかにした通り、プベルル酸を原因物質と同定した行政記録は5機関すべてで不存在とされており(プレスリリース㊶参照)、その科学的根拠自体が問われている。
すべての健康被害において、プベルル酸一元論に先立ち、モナコリンKへの実際の曝露量と既知の副作用プロファイルを検討することが、医薬品・健康食品の安全評価における基本的な手順である。この基本手順が踏まれていないことは、患者の診断・治療方針を根本的に誤らせるおそれがある。
EFSAの科学的評価書(2018年)もまた、「紅麹サプリからのモナコリンK摂取量はロバスタチン医薬品の治療域に達しうる」と結論づけており、CYP3A4を介した他の食品・医薬品との相互作用についてもデータ不足を指摘している(EFSA Journal 2018;16(8):5368)。
4 小林製薬・厚生労働省に求めること
(1)      腎障害を含むすべての健康被害について、まず製品ロットごとのモナコリンK含有量と個々の摂取期間からモナコリンK曝露量を算出し、各症状との関連を解析・公表すること。
(2)      他の医薬品・サプリメント・食品(グレープフルーツ等、CYP3A4阻害食品・薬剤)との相互作用についても調査の対象とすること。
(3)      全症例について、モナコリンK曝露量評価の結果を含む補償基準の根拠を公開し、患者の治療に資する情報を開示すること。
(4)      小林製薬中央研究所が事前に把握していた「紅麹マトリックスによる吸収性増大」のデータを、今回の健康被害評価にどのように活用したか(または活用しなかったか)を明らかにすること。
【参照資料・文献】
■ 行政文書(当社情報公開請求により入手)
・厚労省発健生0919第2号・厚労省発健生0805第2号(厚生労働省)
・衛研発第0926001号・衛研発第0306002号(国立医薬品食品衛生研究所)
・大大保第8033号・大大保第8562号・大大保第8639号(大阪市保健所)
・8消安第236号(農林水産省)
・消食基第187号・消食表第319号・消安全第184号(消費者庁)
■ 小林製薬公表資料
・小林製薬中央研究所「有用成分モナコリンKの吸収性の検証」(Wayback Machine保存)
 https://web.archive.org/web/20250615171610/https://research.kobayashi.co.jp/material/benikoji/benikoji_report02_1.html
■ 当社プレスリリース・一次資料PDF
・プレスリリース㊶「小林製薬紅麹事件 ブベルル酸の行政記録なし 5機関文書不存在」(2026/4/28)
 一次資料PDF: https://kunsei.com/archives/765 / https://kunsei.com/archives/773
■ 学術文献
・Heber D, Lembertas A, Lu QY, Bowerman S, Go VL. An analysis of nine proprietary Chinese red yeast rice dietary supplements: implications of variability in chemical profile and contents. J Altern Complement Med 2001;7(2):133–139. DOI: 10.1089/107555301750164181
・Gordon RY, Cooperman T, Obermeyer W, Becker DJ. Marked variability of monacolin levels in commercial red yeast rice products: buyer beware! Arch Intern Med 2010;170(19):1722–1727. DOI: 10.1001/archinternmed.2010.382
・EFSA Panel on Food Additives and Nutrient Sources. Scientific opinion on the safety of monacolins in red yeast rice. EFSA Journal 2018;16(8):5368. DOI: 10.2903/j.efsa.2018.5368
・Fukami H et al. A Review of Red Yeast Rice, a Traditional Fermented Food in Japan and East Asia. Molecules 2021;26(6):1619. DOI: 10.3390/molecules26061619
・CH Chen et al. Improved dissolution rate and oral bioavailability of lovastatin in red yeast rice products. International Journal of Pharmaceutics 2013;444:18–24.
・庄司哲雄 他.(2008)健常人を対象にした紅麹のコレステロール低下作用-ランダム化二重盲検群間比較による用量検索試験-.日本臨床栄養学会雑誌,29, 425–433.
■ 報道資料
・朝日新聞「紅麹サプリの健康被害、見えぬ全体像 小林製薬の公表から2年」2026年4月28日5時00分付

▼【薫製倶楽部プレスリリース・シリーズ一覧】
① 東京科学大学のプベルル酸研究に科学的疑義申立(2026/3/10)
② 2024年紅麹事件、大阪市保健所が収去していないことを確認(2026/3/12)
③〜⑤ プベルル酸の根拠不明 研究解説1〜3(2026/3/13〜17)
⑥ プベルル酸の使用根拠について主要報道機関10社へ疑義照会(2026/3/18)
⑦ 刑事告発状の提出について(2026/3/19)
⑧〜⑩ 動物実験を実施したのは小林製薬だった(前編・後編)(2026/3/19〜23)
⑪ 小林製薬公表資料に基づくPK試験データの整理(2026/3/24)
⑫ 国立医薬品食品衛生研究所長を刑事告発(2026/3/25)
⑬ コカ・コーラが示す食薬区分の本質 研究解説10(2026/3/27)
⑭ 厚労省健康・生活衛生局長を刑事告発(2026/3/30)
⑮ 決定的証拠 小林製薬の標準品で小林製薬の検体を試験した(2026/3/31)
⑯ 収去記録の特定に60日一存在しないから探せない(2026/4/1)
⑰ 大阪市保健所は最大の被害者である(2026/4/2)
⑱ 収去なき断定の全体像(2026/4/3)
⑲ 小林製薬紅麹コレステヘルプa(G970)消費者庁に行政不服審査請求(2026/4/3)
⑳ 厚生労働省が公文書で判断放棄を確認(2026/4/3)
㉑㉒ プベルル酸と誘導された経緯 調査報告1・2(2026/4/6〜7)
㉓ 天然物の同定に時間がかかることは科学の常識である(2026/4/8)
㉔ カビの世界と利益相反-吉成文献への重大な疑問(2026/4/9)
㉕〜㉝ 我々紅麹業界に何が起こったか(2026/4/10〜20)
㉞ 行政は本当にプベルル酸を同定できているのか その1(2026/4/21)
㉟ 行政は本当にプベルル酸を同定できているのか その2(2026/4/22)
㊱ 検体表が証明する同一性の欠如(2026/4/23)
㊲ 九州大学今坂論文への疑義申立(2026/4/24)
㊳ 大阪市保健所の回答の自己矛盾(2026/4/25)
㊴ 農林水産省の回答の自己矛盾(2026/4/26)
㊵ 自主点検はいつ、どのように行われたのか(2026/4/27)
㊶ 小林製薬紅麹事件 ブベルル酸の行政記録なし 5機関文書不存在(2026/4/28)
㊷ 衆参両院議長ほか国会議員5名に陳情書を送付(2026/4/28)
㊸ 朝日新聞報道への見解─全副作用においてまずモナコリンK曝露量を測定すべき(2026/4/30)


【会社概要】


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM4NzA5MSMzNzM3MDcjMzczNzA3XzdmM2I2MDQ4NDNmY2RjZWZiMDM5YjcyNjhjOTViMTU5LnBuZw.png ]




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