横瀬町が「社会的備蓄住宅」モデルを正式採択 ― 日本モバイル建築協会が提案した木造モバイル建築モデルを採用、浦島設計事務所×向井建築JVが地域実装を担当 ―
配信日時: 2025-11-26 09:00:00
平時は体験住宅、災害時は応急住宅へ──地域に「住まいのレジリエンス」を備える新モデル
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省エネルギー型お試し体験住宅建設プロジェクト 外観パース
一般社団法人日本モバイル建築協会(所在地:東京都千代田区、代表理事:長坂俊成)は、埼玉県秩父郡横瀬町が実施する「省エネルギー型お試し体験住宅建設プロジェクト」において、当協会が提唱した“社会的備蓄住宅モデル”が正式に採択されたことをお知らせします。
本プロジェクトは、町民の住環境の向上、移住・定住促進および地域防災力強化を目的としたもので、採択事業者は浦島設計事務所と向井建築有限会社による共同企業体(JV)です。地域要件に基づきJVが設計・施工を担う一方、住宅モデルの根幹となる技術思想・構造設計は、当協会が監修する木造モバイル建築「社会的備蓄住宅」が採用されています。
プロジェクト概要
事業名: 横瀬町省エネルギー型お試し体験住宅建設プロジェクト
発注者: 横瀬町(埼玉県秩父郡)
設計・施工: 浦島設計事務所 × 向井建築有限会社(JV)
技術監修・モデル提供: 一般社団法人日本モバイル建築協会
協力: 立教大学社会デザイン研究所モバイル建築研究プロジェクト
建設地: 旧横瀬町役場跡地(町民会館、エリア898向かい側)敷地面積 約670.62平方メートル
社会的備蓄住宅とは
本協会が提唱する「社会的備蓄住宅」は、平時には体験住宅や公共施設として活用され、災害時には応急住宅として即時転用可能な住宅群を、地域分散で配置する社会インフラ構想です。
- 平時: 地域住民・移住希望者向け「お試し体験住宅」
- 非常時: 応急仮設住宅や避難所機能を担う
- 将来的: 再移設・再利用可能な循環型建築
横瀬町での採択は、このモデルの本格導入として全国初の事例となります。
建築仕様・性能概要
- 構造形式:木造平屋建(モバイルユニット方式)
- 延床面積:61.05平方メートル (4人世帯想定)
- 断熱性能:UA値0.34(G2相当)・断熱等級6
- 耐震性能:耐震等級3
- 設備:太陽光7.28kW、蓄電池7.04kWh、全熱交換換気、高効率エアコン
- 施工方式:オフサイト製造+現地1日施工
本住宅は、短工期・高品質・移設可能・自家発電機能などを備えたレジリエンス対応型建築です。
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省エネルギー型お試し体験住宅建設プロジェクト 内観パース
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省エネルギー型お試し体験住宅建設プロジェクト 立面図、平面図
地域連携と持続可能性
秩父産の杉を構造材・内装材に採用し、森林再生とCO2削減に貢献。
さらに、本事業は埼玉県が推進する地域循環型林業プロジェクト「活樹(KATSU-JU)」の実装モデルとして位置づけられており、森林資源の地産地消を通じて地域経済の活性化にも寄与します。
また、森林環境譲与税の活用により木材利用と脱炭素を両立した先進事例として、他自治体への波及も期待されています。
林業・工務店ネットワークと連携し、地域循環型の建築供給体制を構築。町民向け体験や見学会を通じ、省エネ意識の向上や移住促進にもつなげていきます。
副町長コメント
横瀬町 副町長 井上雅国 氏 コメント
「本事業は、横瀬町が目指す『住環境の向上による町民の健康増進』と『地域経済循環の促進』という目的に加え、私たちが大切にする多様な人たちとの交流創出と、災害時の拠点整備という複数の意義を持っています。
今回、モバイル建築工法を活用することで『社会的備蓄』という新しく有意義な取組みに参画できることとなりました。これにより、秩父産木材の活用分野の可能性が広がることが期待されます。このようなチャレンジをモバイル建築協会の皆様とご一緒できますことに心より感謝申し上げます」
災害対応と実績
日本モバイル建築協会は、令和6年能登半島地震で木造モバイル仮設住宅261戸を供給した実績を有し、本事業もその知見をもとに設計監修を行っています。
全国展開に向けて
本協会は、横瀬町での導入を皮切りに、全国の自治体・地域事業者と連携し、“住める備蓄”としての新しい住宅インフラを広げてまいります。
日本モバイル建築協会について
一般社団法人日本モバイル建築協会は、木造モバイル住宅の普及・災害住宅の設計監修・地域工務店との連携強化を推進する全国ネットワーク型団体です。全国の自治体・事業者と協働し、レジリエントで持続可能な社会インフラの実現を目指しています。
本件に関するお問い合わせ先
一般社団法人モバイル建築協会
住所:東京都千代田区内神田2-12-1
問い合わせフォーム:https://mobakyo.or.jp/contact
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