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ホンダと日産、次世代SDVのECU・車載OSを共通化 2029年度以降の搭載目指す

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ホンダと日産自動車は2026年8月31日、次世代のソフトウェアデファインドビークル(SDV)を構成する電子制御ユニット(ECU)や車載ソフトウェアの共通化に向け、共同開発契約を締結したと発表した。共同開発する技術を組み込んだ電気・電子アーキテクチャーを、2029年度以降に両社の次世代SDVへ適用することを目指す。
両社は2025年2月に経営統合の協議を終了したが、自動車の知能化・電動化に向けた戦略的パートナーシップは維持してきた。今回の契約により、資本や経営を統合するのではなく、開発負担が大きいSDVの基盤技術を共同で構築する協業が具体化する。
■ECUから車載OS、制御ソフトまで共通仕様を構築
共同開発の対象となるのは、次世代SDVの電気・電子アーキテクチャーで中核を担う複数のECUと、その上で動作する車載OS、ミドルウェア、車両制御ソフトウェアの主要部分である。
対象となるECUには、システム・オン・チップ(SoC)を使用する高性能なメインECUと、車両の各エリアを統括するゾーンECUが含まれる。高性能なメインECUが車両全体に関わる処理を担い、ゾーンECUが車内の各領域に配置されたセンサーや機器をまとめて制御する構成だ。
車両の機能ごとに多数のECUを個別配置する従来型の構成から、演算処理を担う中核ECUと各領域のゾーンECUを組み合わせる構成へ移行すれば、ハードウェアとソフトウェアを一体的に設計しやすくなる。共通の基盤上でソフトウェアを開発、検証し、車種へ展開する体制づくりにもつながる。
ホンダと日産は、両社の技術的な知見や人材、開発リソースを組み合わせることで、開発効率と開発スピードを高め、規模の効果によるコスト低減を図る。どの車種に搭載するか、両社の既存システムをどのように統合するかといった詳細は発表していない。
■経営統合とは切り離された技術協業
ホンダと日産は2024年3月、自動車の知能化と電動化に関する戦略的パートナーシップの検討を開始した。同年8月には協業の枠組みを広げるとともに、次世代SDV向けプラットフォームの基礎的要素技術について共同研究契約を締結した。
同年12月には、共同持株会社の設立を前提とする経営統合の協議に進んだ。しかし、両社は2025年2月、経営統合に関する基本合意書を解約し、協議を終了した。協議の過程では、共同持株会社の傘下に両社を置く当初案に加え、ホンダを親会社、日産を子会社とする株式交換方式も選択肢として検討された。
経営統合の見送り後も、両社は知能化・電動化分野の戦略的パートナーシップを継続した。今回の共同開発契約は、2024年に始まったSDVの基礎研究を、2029年度以降の次世代車への適用を目指す開発段階へ進めるものとなる。
資本関係や経営体制を一体化しなくても、車載コンピューターやソフトウェアの基盤部分を共通化すれば、重複する開発や検証を減らせる可能性がある。一方、今回の発表では、車体、パワートレーン、生産設備などを共通化する計画には触れていない。
■ソフトウェア開発の速度と投資効率を高める
SDVは、車両の機能や利用体験をソフトウェアによって継続的に開発、更新していく考え方を取り入れた自動車である。運転支援や車両制御、コネクテッド機能などが高度化するにつれ、車載ソフトウェアの開発量と検証範囲も拡大する。
車載OSやミドルウェアなどの基盤を車種ごと、企業ごとに個別開発すると、同種の開発や試験が繰り返されやすい。中核部分の仕様を両社でそろえることで、共通基盤に対する開発成果を複数の車種へ展開し、両社が個別に開発する範囲を絞り込める可能性がある。
ホンダは2026年5月に公表した四輪事業の再構築方針で、開発費、開発期間、開発工数を2025年比でそれぞれ半減させる「トリプルハーフ」を掲げた。デジタル環境やAI、外部リソースを活用し、設計、試験、生産準備を効率化する方針も示している。日産との基盤技術の共同開発も、開発資源を効率的に使う取り組みの一つとなる。
もっとも、今回の共同発表には、プロジェクトの投資額、費用の分担、開発組織の構成は記載されていない。共通仕様と各社独自の技術をどのように区分するかも、今後の開発における重要な論点となる。
■共通基盤の上で各ブランドの特徴をどう作るか
共通化の対象は、次世代SDVを動かす基盤部分である。車載OSや主要なミドルウェア、制御ソフトウェアの一部を共有しても、車両の商品企画、デザイン、走行特性、操作画面、サービスなどは各社がそれぞれ設計できる。
基盤部分を共同開発し、その上の機能や利用体験で独自性を出す構造は、開発効率とブランドごとの商品性を両立させるための一つの方法となる。共通化する範囲を広げるほど規模の効果は得やすくなる一方、車種やブランドに合わせて変更できる領域を適切に残す必要がある。
今回の発表では、ソフトウェア更新の運用方法、サイバーセキュリティーへの対応、機能安全の認証、開発後の責任分担などは明らかにされていない。また、共通アーキテクチャーを部品メーカーや外部のソフトウェア開発者に開放する計画も示されていない。
三菱自動車は、このソフトウェア協業への参加を検討しており、ホンダ、日産との協議を続けている。参加が決まれば共同基盤を利用する車両の規模が広がる可能性があるが、2026年9月1日時点で正式な参加は発表されていない。
■2029年度以降の次世代SDVへ適用
両社は、共同開発したECUとソフトウェアを組み込む電気・電子アーキテクチャーについて、2029年度以降にそれぞれの次世代SDVへ適用することを目指す。2029年度は2029年4月から2030年3月までだが、特定の車種や発売時期は明らかになっていない。
今後は、ECUや車載OS、ミドルウェア、車両制御ソフトウェアの共通仕様を具体化し、量産車への搭載に向けた開発と検証を進めることになる。車両の重要な機能を担う基盤だけに、開発効率だけでなく、安全性、更新の継続性、障害発生時の責任分担を含めた運用体制も問われる。
経営統合には至らなかったホンダと日産だが、SDVの中核技術を共同開発することで、単独開発の重複を抑えながら競争力の強化を図る。2029年度以降の実用化に向け、共通化の範囲と両社独自の領域をどのように設計するかが次の焦点となる。
元記事: Honda and Nissan Build Shared Car Software Stack After Merger Collapse
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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