Shein香港IPO、既存投資家への「コストリセット」で一般株主に希薄化リスク

2026年8月4日 15:58

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記事提供元:Tech Times

Shein(シーイン)が香港でのIPOに向けて、既存の機関投資家に対する損失補填策を検討していると報じられている。この措置により、IPOで新たに株式を購入する一般投資家の持ち分が希薄化する可能性がある。上場時期は早ければ2026年8月または9月とみられており、投資家は米連邦取引委員会(FTC)による調査や業績悪化、議決権格差などのリスクを考慮する必要がある。

■機関投資家への「コストリセット」と一般投資家の不利益

Sheinは、評価額がピークに達していた時期に同社へ投資した機関投資家に対し、現金支払いと追加のクラスB株式を提供する案を検討している。企業価値がピーク時から最大60%下落したことによる損失を緩和するための補填策である。BloombergとReutersは2026年8月4日、この投資家向けの「コストリセット」計画について報じた。香港での新規株式公開(IPO)で株式を購入する一般投資家には同等の保護がなく、内部関係者と比べて議決権が大幅に制限された株式を保有することになる。さらに、調査内容が開示されていないFTC調査を受けている企業の株式を取得することにもなる。これが、3年以上にわたって上場を目指してきたSheinが現在提示しようとしている条件である。

Bloombergの報道によると、SheinはプレシリーズD、シリーズD、シリーズD+の資金調達ラウンドに参加した投資家向けに「コストリセット」を検討しているという。現金と追加のクラスB株式を組み合わせ、投資家の実質的な取得原価を、Sheinが香港上場で目標とする評価額である約400億ドル(約6兆2800億円、1ドル=157円換算)に近づけることを目的としている。最終決定には至っておらず、現金や株式による補填額はIPOの最終的な公開価格によって変わる。Sheinはコメントの要請に応じなかった。

内部関係者が補填を受ける損失の規模は大きい。Sheinは2022年の資金調達ラウンド後に982億ドル(約15兆4174億円、同)の評価額を記録し、当時、世界で最も評価額の高い未公開企業の1社となった。2024年までに評価額は640億ドル(約10兆480億円、同)へ低下した。現在の香港IPOでは400億~500億ドル(約6兆2800億~7兆8500億円、同)の評価額を目標としているが、一部の株主はさらに約300億ドル(約4兆7100億円、同)まで引き下げるよう求めていると報じられている。4年間の待機によって評価額はピーク時から最大60%下落し、その期間を通じて株式を保有してきた機関投資家が補填の対象になろうとしている。

■一般投資家が直面する株式の希薄化と議決権の格差

コストリセットが公開市場の投資家にとって重要なのは、これまで存在しなかった追加のクラスB株式が発行されるためだ。これらの株式はIPO前からの投資家に割り当てられ、一般投資家向けの流通株式には加わらない。新株が発行されれば、IPO価格でH株を購入する一般投資家を含め、既存の各株主が持つ経済的な持ち分は希薄化する。

この希薄化は、一般投資家に実質的な発言権を与えないガバナンス構造に重なる。2026年7月26日に香港証券取引所へ提出されたSheinの目論見書では、経営幹部がクラスA株式とクラスB株式を保有し、クラスA株式には普通株式の10倍の議決権が付与されていることが確認された。同社は、複数議決権構造の権利保有者が「当社の成功に実質的に貢献した」ため、同構造によって支配権を行使できると説明している。一般のH株購入者は、こうした権利保有者には含まれない。

4人の共同創業者であるSky Yangtian Xu、Maggie Gu、Molly Miao、Tony Renは、ケイマン諸島に登録されたSheinの持ち株会社の株式を合計65%保有している。Donald Tang執行会長の退任後にCEO兼会長を務めるXuは、Sheinのデータ主導型デザインシステムの導入を指揮した。Goldman Sachs、Morgan Stanley、JPMorganが上場の共同スポンサーを務めている。

■悪化する財務状況と利益率の低下

一般投資家に提示される評価額の背景には、悪化する財務指標がある。2025年の売上高は前年比8%増の418億ドル(約6兆5626億円、同)となり、2024年の20.7%増から急減速した。同期間の通期純利益は38.7%減の20億6000万ドル(約3234億円、同)に落ち込んだ。

2026年第1四半期には、前年同期の3億9500万ドル(約620億円、同)の純利益から一転し、9900万ドル(約155億円、同)の純損失を計上した。転換・償還可能優先株式に関する3億2800万ドル(約515億円、同)の非現金の公正価値評価損が、損失を膨らませた。この優先株式は上場時に普通株式へ転換され、上場までは貸借対照表上の評価額が変動する投資商品である。ただし、この会計上の影響を考慮しても、事業の基礎的な状況は厳しい。第1四半期の営業利益は26%減の2億5800万ドル(約405億円、同)となった。営業利益率は前年同期の3.9%、2023年の約4.3%から低下し、2.9%まで縮小した。

Global Public Investment Funds Forumのエグゼクティブディレクターで、中国投資有限責任公司(CIC)の元マネージングディレクターでもあるWinston Maは、香港市場の機関投資家は「2.9%の営業利益率を重点的に見るだろう」と述べた。さらに、「投資家はSheinを、純粋な超高成長テクノロジープラットフォームではなく、摩擦の大きい国際貿易環境に対応する小売・物流企業として評価し直すだろう」と指摘した。

同社の目論見書では、売り出す株式の規模、公開価格、上場日程が開示されておらず、機関投資家は全体像が分からない状態でリスクを見極める必要がある。

■業績悪化の背景にある各国の免税措置撤廃

Sheinの財務状況が悪化した直接的な原因は、同社のビジネスモデルを支えていた貿易ルールの変更である。米国は2025年5月、中国原産品に対する、いわゆる「デミニミス免税」を撤廃し、価格が800ドル(約12万5600円、同)未満の小包を無関税で輸入できる従来の制度を終了した。2025年4月2日に署名された大統領令14256号は、同年5月2日に発効した。米国の顧客へ直接発送される中国原産品には現在、製品カテゴリーに応じて10~87.5%の関税が課されている。

その影響は業績に直接表れている。2026年第1四半期の米国売上高は、前年同期の23億8000万ドル(約3737億円、同)から14.3%減の20億4000万ドル(約3203億円、同)に落ち込んだ。売上高に占める米国の割合も、2023年通期の29.4%から直近四半期の22.5%へ縮小した。同社は、増加したコストの一部を相殺するため、米国で価格を引き上げていると説明している。

2025年のSheinの売上高の約3分の1を占めた欧州も、同様の圧力に直面している。EUは2026年7月1日、域外から輸入される少額の電子商取引商品に対し、商品種類ごとに3ユーロの関税を導入した。原文記載の約3.31ドルを1ドル=157円で換算すると、約520円に相当する。Sheinは目論見書で、欧州における影響が「米国のデミニミス免税撤廃後に確認された影響とおおむね同程度になるか、それを上回る可能性がある」と警告している。

電子商取引アナリストのJuozas Kaziukenasは、「成長鈍化に対する解決策は提示されていない」と述べ、欧州と米国が合わせてSheinの世界売上高の半分以上を占めていると指摘した。Chanson & Co.のディレクターであるShen Mengは、Sheinが「前回の非公開資金調達ラウンドと比べ、香港IPOでも流通市場でも評価額を大幅に引き上げる可能性は低い」と述べ、「現在の市場環境は、同社にとって以前よりはるかに厳しくなっている」と付け加えた。

Sheinと競合するTemuはともに、欧州で現地倉庫の整備を加速させている。Sheinは2025年12月、ポーランドのヴロツワフ近郊に74万平方メートルの物流拠点を開設し、2026年5月には英国キャノックに37万6000平方フィート(約3万4932平方メートル)の倉庫を開設した。これは、5年間で2億5000万ユーロを投じる欧州倉庫投資計画の一環である。原文記載の約2億7500万ドルを1ドル=157円で換算すると、約431億7500万円に相当する。EU域内に在庫をあらかじめ配置すれば、一括輸入時に通関できるため、大半の注文について、消費者への個別発送時に商品単位で関税が発生することを回避できる。

■3度目の上場計画が香港に行き着いた経緯

香港での株式公開は、Sheinにとって3度目の上場挑戦となる。当初計画していたニューヨーク上場は、サプライチェーンの慣行、データの取り扱い、中国との関係を巡り、米国の議員や規制当局から継続的な反対を受け、2023年末から2024年初頭にかけて頓挫した。その後、同社はロンドン上場へ方針を転換し、2025年4月に英金融行動監視機構(FCA)から目論見書の承認を得たものの、中国証券監督管理委員会(CSRC)が上場手続きに必要な承認を出さなかった。

具体的な争点は情報開示だった。Sheinが米国と英国で提出した書類には、ウイグル強制労働防止法への準拠に関する記述があり、同社のサプライチェーンと中国の新疆ウイグル自治区との関係について、潜在的なリスクが示されていた。米国政府や人権団体は、同地域でウイグル族を対象とした政府主導の強制労働が行われていると主張している。中国政府はこれらの主張を否定している。Sheinも一貫して、自社のサプライチェーンに強制労働は存在しないとしてきた。一方、CSRCはウイグル族の強制労働をリスクとして記載した提出書類を受け入れられなかった。2026年7月26日に公開されたSheinの香港上場申請書類には、新疆に関するリスクへの具体的な言及はなく、ブランドに影響を及ぼす可能性がある「否定的な報道」という一般的な表現だけが使われている。

デラウェア大学のファッション研究教授Sheng Luは、CSRCによる7月10日の承認後、Sheinの動きは「中国企業としてのアイデンティティから距離を置くのではなく、むしろ一層受け入れている」ことを示唆すると述べた。CSRCは2026年7月10日にSheinの香港IPOを承認し、最後の主要な規制上のハードルが取り除かれた。Sheinは最大3億4160万株のH株を発行し、20億~30億ドル(約3140億~4710億円、同)の総調達額を目指している。香港証券取引所による上場審査のヒアリングが予定されており、同社は早ければ2026年8月または9月の上場を見込んでいる。

China Market Research GroupのマネージングディレクターであるShaun Reinは、「待ち続けたことで、絶好の機会を逃した」と述べた。「投資家も消費者も、かつてほどこのウルトラファストファッション企業に期待していない」

■詳細が開示されていないFTC調査がもたらす投資家リスク

7月26日の目論見書で開示された追加のリスク要因は、評価額や補填策ほど注目されていない。Sheinは、米国事業がFTCの調査を受けていることを明らかにした。この開示によって、調査の存在が初めて公になったとみられる。Sheinは「FTCに積極的に協力している」と述べ、「和解その他の形を問わず、調査の結果として多額の金銭を支払う必要が生じ、当社の財政状態および経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある」と警告した。

同社は調査の対象を公表しておらず、FTCもコメントを控えた。FTCが執行対象として挙げている分野には、偽のカウントダウンタイマー、分かりにくい解約手続き、あらかじめ選択されたチェックボックスなどの「ダークパターン」に加え、データプライバシーや誤解を招く価格表示が含まれる。Sheinは過去にも、利用者に特定の行動を促す設計機能を巡って欧州の規制当局から調査を受けている。2025年6月には、21の消費者保護団体が、同社のプラットフォームで偽のタイマーやコンファームシェイミングと呼ばれる手法が使われていると申し立てた。

株式公開を申請する企業には、重大な未解決の規制措置を開示することが求められる。Sheinが、通常の規制当局との接触で使われる比較的穏当な表現ではなく、「多額の支払い」が生じる可能性を明示したことは、同社の法務担当者がこのリスクを具体性のある現実的なものとみていることを示唆する。

■中国の法律に基づくデータプライバシーの懸念

Sheinが中国に事業基盤を持つことは、同社への投資を検討する人やプラットフォームの利用者が意思決定前に理解しておくべき法的義務を伴う。

中国の国家情報法(2017年)第7条は、中国で活動するすべての組織に対し、国家情報活動を支持し、支援し、協力することを義務付けている。この義務は、企業構造、本社所在地、プライバシーポリシーの記載内容によって免除されるものではない。中国のデータセキュリティ法(2021年)とサイバーセキュリティ法(2017年)は、中国に事業拠点を持つ企業に対し、データの国内保存や政府によるアクセスに関連する追加の要件を課している。

Sheinの約7500社の契約製造パートナーは中国に拠点を置き、同社の中核的なサプライチェーン、アルゴリズムによるトレンド予測基盤、生産管理システムも中国から運用されている。Sheinのアプリが収集する購入履歴、閲覧行動、アカウント情報、決済データなどの利用者情報は、サーバーの物理的所在地やプライバシーポリシーの記載にかかわらず、中国事業を通じてこれらの法的要件の適用を受ける企業によって取り扱われる。

Sheinの目論見書や一般に公開されている調査では、同社のデータ基盤を対象とした独立したセキュリティ監査は確認されていない。Sheinはこれまでにも、データの取り扱いや中国政府との関係を巡り、米国議会から調査を受けてきた。

■テクノロジーによる優位性は維持できるか

財務面の問題の根底にある事業上の疑問は、Sheinの中核的な競争優位性である、アルゴリズムを利用した小ロットのオンデマンド製造システムが、それを可能にしてきた貿易環境が悪化する中でも有効であり続けるかどうかだ。

Sheinのモデルは、ソーシャルメディアのトレンドをほぼリアルタイムで追跡し、広州を拠点とするサプライヤーネットワークで小規模な初回生産を行い、実際の消費者の反応に基づいて生産を拡大する仕組みである。デザインから出荷までの期間は従来約10日とされ、実店舗を中心とする競合企業には再現が難しいサイクルとなっている。同社は目論見書で、IPOによる調達資金をAIを活用した需要予測システムと物流基盤の拡充に充てるとしている。

ただし、その優位性は縮小しつつある可能性がある。デミニミス免税の撤廃によって、中国から消費者へ直接発送する際のコスト上の優位性は失われた。EUでの倉庫整備は、Sheinの在庫モデルの一部を、従来型小売企業も採用している事前配置型の在庫へ移行させるものであり、欧州向け注文におけるアルゴリズムと小ロット生産の利点を弱める。Sheinのプラットフォームに出店する第三者販売者からのサービス収益は、2025年に8億6800万ドル(約1363億円、同)から47億ドル(約7379億円、同)へ増加した。これは同社が収益基盤を多角化していることを示す一方、これまでの成長エンジンだった商品販売が以前と同じ成長率を維持できなくなっていることも示唆する。

■目論見書で目立つ形では示されていない労働・サプライチェーン問題

Sheinの香港上場目論見書では、企業のガバナンスやレピュテーションリスクを評価する投資家が通常考慮する一連の事実が、目立つ形では示されていない。

Public Eyeによる2021年の調査と、2022年に放送されたChannel 4の番組は、広州にあるSheinのサプライヤー工場で、労働者が週75時間働き、休日が月に約1日しかない状況を報告した。これは中国の労働法に違反する労働条件である。Shein自身も2023年のサステナビリティ報告書で、サプライヤーにおける2件の児童労働を確認したと認めている。2025年初頭に英国の議員へ送った書簡では、2023年と2024年のそれぞれについて、サプライチェーン内で2件の児童労働を確認したと説明した。

テキサス州司法長官は2026年2月、労働に関する表示、製品安全、消費者データを巡る虚偽または欺瞞的な行為があったとして、Shein US Services LLCを提訴した。この訴訟は係争中である。

欧州委員会は2026年2月、違法な商品掲載、利用者に特定の行動を促す設計機能、レコメンドシステムの透明性を対象として、Sheinに対するデジタルサービス法(DSA)上の手続きを開始した。Sheinは2024年4月にEUから「超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)」に指定され、DSAで最も厳格なコンプライアンス要件の対象となっている。

■上場審査を前に投資家が考慮すべきこと

SheinのIPOへの投資を検討する際には、少なくとも以下の要素を考慮する必要がある。

第一に、コストリセットによって追加発行される株式が、既存株主の持ち分に影響する。評価額の下落を補填するために機関投資家へ発行される追加のクラスB株式は、一般投資家を含む他の株主の持ち分を希薄化させる。希薄化の正確な規模は、最終的なIPO条件が決まるまで分からない。

第二に、H株の募集に参加する一般投資家は、実質的なガバナンス権限をほとんど持たない。クラスA株式には普通株式の10倍の議決権があり、4人の共同創業者は持ち株会社の株式を合計65%保有している。一般のH株購入者が、資本配分、役員報酬、戦略方針などの企業判断に影響を及ぼすことは事実上困難である。

第三に、同社はFTCによる調査を受けている。調査の存在は目論見書で開示されたが、対象や詳細は公表されておらず、同社は財務成績に重大な影響を与える「多額の金銭的支払い」につながる可能性があると警告している。

第四に、売上高成長率は2025年通期で8%、2026年第1四半期で前年同期比1.1%へと急減速し、営業利益率は2.9%にとどまっている。これは主要な小売競合企業が通常達成する水準を下回り、テクノロジープラットフォームとしての評価額に必要とされる水準も大きく下回る。

第五に、Sheinの2大市場である米国と欧州は、合わせて売上高の半分以上を占めているが、いずれも同社の基盤である中国からの直接発送モデルを構造的に不利にする貿易措置を導入している。

第六に、中国に大規模な事業基盤を持つ企業として、Sheinは中国の国家情報法、データセキュリティ法、サイバーセキュリティ法の適用を受ける。これらの法律は、企業が掲げる方針や本社所在地にかかわらず、政府の情報活動への協力などを求めている。

香港証券取引所による上場審査のヒアリングは翌週に予定されている。同社が目標とする2026年8月または9月のIPOは、複数のアナリストが極めて不利とみるタイミングに重なる。成長を支えてきた貿易ルールが変わった後であり、信頼できる代替の成長エンジンをまだ示せておらず、主要な機関投資家が評価損への補填を交渉する一方、IPOで参入する一般投資家には同様の補填がないためだ。

■注目ポイントQ&A

●Sheinの投資家向け「コストリセット」とは何ですか?なぜ重要なのですか?

Sheinは、プレシリーズD、シリーズD、シリーズD+の資金調達ラウンドで同社に投資した機関投資家と交渉しています。これらのラウンドは、同社の評価額が982億ドルのピークに近かった時期に実施されました。現在、これらの投資家は、Sheinの企業価値を400億ドル以下とする可能性があるIPOに直面しており、含み益の大部分を失う可能性があります。提案されているコストリセットは、現金と追加のクラスB株式を組み合わせ、投資家の実質的な取得原価を現在のIPO評価額に近づけるものです。一般投資家にとって重要なのは、追加株式によって持ち分が希薄化する一方、IPO価格で参入する一般投資家には同等の補填が提供されないためです。

●なぜSheinはニューヨークやロンドンではなく香港で上場するのですか?

Sheinは2年以上にわたり米国と英国での上場を試みましたが、いずれも実現しませんでした。米国上場は、サプライチェーンの慣行、データの取り扱い、中国との関係を巡る議会の反対に直面しました。英国上場については2025年4月にFCAが目論見書を承認しましたが、中国のCSRCが必要な承認を出しませんでした。CSRCは、目論見書のリスク要因にウイグル族の強制労働をサプライチェーン上の懸念として記載することを問題視しました。香港の上場申請書類では、新疆に関する具体的な記述が削除されています。CSRCが2026年7月10日に承認したことで、香港上場に向けた最後の主要な規制上のハードルが取り除かれました。

●FTCはSheinの何を調査しているのですか?投資家は懸念すべきですか?

Sheinは2026年7月26日の香港上場目論見書で、FTCが米国事業を調査していることを開示しましたが、調査の対象は明らかにしていません。FTCは、ダークパターン、隠れた手数料、誤解を招く価格表示、データプライバシー違反など、不公正または欺瞞的な商慣行を取り締まっています。Sheinは、調査の解決によって「当社の財政状態および経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある多額の金銭的支払い」が必要になる可能性を警告しています。投資家にとっては、金額も解決時期も不明な財務リスクであり、和解などの結論が出る前に正確に評価することは困難です。

●Sheinを利用する際、データプライバシーについて懸念すべきですか?

原文は、懸念すべきだとしています。Sheinの中核事業であるサプライヤーネットワーク、生産管理基盤、アルゴリズムによる予測システムは中国を拠点としています。中国の国家情報法(2017年)第7条は、中国で活動する組織に対し、国家情報活動への協力を求めています。また、データセキュリティ法(2021年)とサイバーセキュリティ法(2017年)も、政府によるデータアクセスなどに関する追加の法的義務を定めています。Sheinのアプリを通じて提供される購入履歴、決済情報、位置情報、閲覧行動などのデータは、中国に事業基盤を持ち、これらの法制度の適用を受ける企業によって取り扱われます。企業のプライバシーポリシーが中国法に優先することはありません。

元記事: Shein IPO: Insider Cost Reset Leaves Retail Investors Holding Dilution

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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