ヤマシタヘルスケアホールディングス、27年5月期収益回復期待、人的資本投資とグループ連携強化で基盤強化

2026年4月6日 07:52

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、経営理念に「地域のヘルスケアに貢献する」を掲げ、九州を地盤とする医療機器専門商社(山下医科器械)を中心に、継続的な収益拡大に向けてヘルスケア領域でのグループ力向上を推進している。26年5月期第3四半期累計は医療機関の設備投資減少の影響で小幅減収となり、人件費等の増加も影響して減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。27年5月期の収益回復を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、調整一巡して2月の最高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■九州を地盤とする医療機器専門商社

 経営理念に「地域のヘルスケアに貢献する」を掲げ、九州を地盤とする医療機器専門商社(山下医科器械)を中心に、継続的な収益拡大に向けて、ヘルスケア領域でのグループとしての収益力向上を推進している。

 事業子会社の山下医科器械は九州を地盤とする医療機器専門商社で医療機器卸売、医療IT、設備設計・施工・メンテナンス、消耗品管理・物流を展開している。26年8月に創業100年を迎える。イーピーメディックは整形外科領域の体内埋没材料(インプラント)の製造・販売、トムスは人工腎臓関連分野に強みを持ち透析装置・関連消耗品を中心とする医療機器卸売・メンテナンス、アシスト・メディコは医療機関の経営・事業承継支援などのコンサルティングサービス、エムディーエックスはRPA・DX技術関連製品・サービスの提供、クロスウェブは医療機関向けネットワーク構築・ソフトウェア受託開発、鹿児島オルソ・メディカルは鹿児島県で整形外科分野に特化した医療機器・関連消耗品の販売、マイクロソニックは乳がんの早期発見を目的とした超音波画像診断装置「ブレストスキャン」など医療用機器の開発・販売を展開している。

 病院向け予約ソリューションを展開するイーディライトについては25年10月に株式譲渡を完了し、26年5月期第2四半期より連結子会社から除外した。

 25年5月期のセグメント別売上高は、医療機器販売業が644億487百万円で内訳は一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が94億13百万円、一般消耗品分野(汎用消耗品、手術関連消耗品等)が258億35百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が147億17百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が127億56百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が17億64百万円、医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)が2億19百万円、医療モール事業(賃料収入)が72百万円だった。

 なお医療機関の設備投資関連のため、第2四半期(9月~11月)および第4四半期(3月~5月)の構成比が高い傾向がある。

■積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行

 中期経営計画(25年5月期~27年5月期)では、基本方針に「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」を掲げ、目標値は最終年度27年5月期の売上高730億円、営業利益9億50百万円、営業利益率1.3%以上、経常利益10億円としている。資本コストや株価を意識した経営としては、PBR(株価純資産倍率)1.0倍以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目指し、株主還元としては配当性向30%以上としている。

 重点施策として人的資本経営、グループ間連携による新たな価値の創出と生産性向上、持続的成長に向けた投資、ESG経営による地域社会への貢献、ガバナンス最優先の風土醸成などを推進する。

 25年9月には、グループ会社のマイクロソニックが、乳房疾患の早期発見を目的とした医療機器(超音波画像診断装置並びに併用医療機器)である「BreastScan」(ブレストスキャン)および「Viewnus―Linear」(ヴィーナスリニア)について、医療機器として薬事認証取得・届出を完了した。また本製品システムにおいて「乳房の超音波診断装置および検査方法」として特許を取得した。

 サステナビリティ経営への取り組みでは21年8月にESG基本方針を策定、22年7月に長期ビジョン「マルティプライビジョン2030」を策定し、24年8月に「ESG経営に関わる実績および目標」を公表した。また25年3月には山下医科器械が、経済産業省と日本健康会議が選定する健康経営優良法人認定制度において、4年連続で健康経営優良法人2025(大規模法人部門)に認定された。

■26年5月期は人件費増加等で減益予想、下期からの回復基調を期待

 26年5月期の連結業績予想は売上高が前期比4.9%増の676億47百万円、営業利益が29.6%減の5億90百万円、経常利益が30.5%減の6億32百万円、親会社株主帰属当期純利益が42.6%減の3億54百万円としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比1.4%減の468億88百万円、営業利益が44.9%減の3億93百万円、経常利益が36.0%減の4億86百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.3%減の4億41百万円だった。医療機関の設備投資減少の影響で小幅減収となり、人件費等の増加も影響して減益だった。

 営業利益3億21百万円減益の要因分析は、人件費および教育研修費他関連費用の増加で1億33百万円減益、発送運賃および広告宣伝費他の増加で5百万円減益、保守料・支払手数料その他費用の増加で68百万円減益、売上総利益の減少で1億15百万円減益だった。

 医療機器販売業は売上高が1.3%減の469億18百万円、営業利益(全社費用等調整前)が17.8%減の13億27百万円だった。売上高の内訳は一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が18.0%減の55億21百万円、一般消耗品分野(汎用消耗品、手術関連消耗品等)が2.2%増の196億45百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が0.4%増の108億49百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が2.5%増の97億85百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が8.9%減の11億16百万円だった。一般消耗品分野は検査・手術件数の増加に伴い堅調だったが、医療機関の設備投資減少の影響で一般機器分野が低調だった。

 医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)は、売上高が8.2%減の1億56百万円で営業利益が1億44百万円の損失(前年同期は1億14百万円の損失)だった。医療モール事業(賃料収入)は売上高が2.3%増の54百万円で営業利益が6百万円(同1百万円)だった。

 全社ベースの業績を四半期別にみると、第1四半期は売上高が150億78百万円で営業利益が36百万円、第2四半期は売上高が155億67百万円で営業利益が1億80百万円、第3四半期は売上高が162億43百万円で営業利益が1億77百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、人的資本経営に伴う人件費関連コストの増加、山下医科器械の物流センターリニューアルに係る費用計上などにより減益予想としている。重点施策として人的資本経営の実践、グループ間の連携と協業による事業の活性化、事業会社等の継続支援とM&Aによる事業領域の拡充、ESG経営を踏まえた安定的な商品供給体制の構築、ガバナンスとコンプライアンスのさらなる意識向上と深化、グループの管理機能の充実を推進する。

 第3四半期累計の進捗率は売上高69%、営業利益67%、経常利益77%、親会社株主帰属当期純利益125%である。27年5月期の収益回復を期待したい。

■株主還元は配当性向30%以上目安、株主優待制度は5月末の株主対象

 株主還元については配当性向30%以上を目安に、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定かつ継続的な配当を実施することを基本方針としている。この基本方針に基づいて26年5月期の配当予想は前期比5円減配の70円(期末一括)としている。予想配当性向は48.8%となる。

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年5月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じてオリジナルクオカードを贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、調整一巡して2月の最高値に接近している。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。4月3日の終値は3885円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS143円58銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の70円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3640円22銭で算出)は約1.1倍、そして時価総額は約99億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
【株式市場特集】IPO株にリベンジ相場の兆し、66社の希少性が投資家心理を刺激(2025/12/22)
【株式市場特集】円高メリット株に再注目、出遅れ紙・パ株に掉尾の一振(2025/12/15)
【株式市場特集】金先物高騰で「ジパング」再生、産金・都市鉱山・リユース株に年末ラリーの主役(2025/12/8)
京都ヒューマノイドアソシエーションに3社が新規参画、純国産ヒューマノイドロボット開発の体制を強化(2025/12/3)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事