日本板硝子、上場廃止で再浮上なるか?

2026年4月3日 20:37

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●日本板硝子が2026年11月で上場廃止を発表

 ガラス大手の日本板硝子は3月24日、米ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントを割当先とする第三者割当増資を通じ、総額1650億円の出資を受けることを発表した。

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 日本板硝子は6月の株主総会、11月に株主併合を経て、上場廃止となる予定。

 アポロ社の他に、日本政策投資銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行から1400億円の出資を受け、合計の出資額は3000億円となる。

 今後はアポロ社の完全子会社となり、太陽光発電用ガラスなどの成長分野に投資を進めると見られるが、日本板硝子は再浮上となるのだろうか?

●大型買収に失敗し、経営不振に陥った日本板硝子

 日本板硝子は、1918年に杉田与三郎氏が米リビー・オーエンズの技術を導入して、住友総本店の事業として福岡県北九州市で創業。

 建築用・自動車用ガラスの名門として確固たる地位を築いてきた。

 2006年に英国ガラス大手のピルキントン社を買収したことが、大きな転機となった。売上世界6位だった日本板硝子が、売上は倍近くあり世界3位だったピルキントン社を買収したことは、「小が大を飲む買収」として話題になった

 自己資本比率を20%にまで減少させても買収に踏み切った大きな賭けにより、グローバル化を目指した。

 だがピルキントンの過去のカルテル事件に伴う巨額の制裁リスクが顕在化し、財政は急激に悪化した。

 主要市場だった欧州では、リーマンショック、ギリシャ危機に端を発した欧州債務危機で自動車・建築需要が激減し、頼みの太陽電池用ガラスも中国との価格競争に敗れて撤退した。

 2020年のコロナ禍による供給網の混乱も、大きな打撃となった。

●再浮上となるか?

 日本板硝子は、ピルキントンのTCOコーティング技術がペロブスカイトの基盤としての強みを持つ。ペロブスカイトの実用化・普及が再浮上の大きなカギだ。

 だがその前に、既存のガラスのシェア拡大戦略を見直す必要があり、不採算事業の撤退や債務圧縮が優先事項となる。

 リストラ策の一つが、上場廃止による上場コストの軽減だ。

 日本板硝子の再浮上には、まだまだ時間がかかりそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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