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伊藤忠商事が伊藤忠食品にTOB! 増加する親子上場廃止の背景は?

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●伊藤忠商事が伊藤食品を子会社化し、親子上場廃止
大手商社・伊藤忠商事が、連結子会社で食品卸大手の伊藤忠食品を、株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化すると発表した。伊藤忠食品は東証プライムを上場廃止となる見通しだ。
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米アクティビストのサファイアテラ・キャピタルは、2025年11月にも伊藤忠商事の上場子会社である伊藤忠食品の取締役会に対し、非公開化による親子上場廃止を提案していた。
近年、TOBによる親子上場廃止は増加傾向にある。大きなところではトヨタ自動車による豊田自動織機、NTTによるNTTデータ完全子会社などがある。
●親子上場廃止が進む理由
ピークだった2006年から親子上場企業数は6割減少しており、この5年では2ケタ純減が続いている。
親子上場廃止に一気に拍車がかかった背景には、2022年の市場再編以降の東証改革がある。東証は上場企業にコーポレートガバナンス(企業統治)や企業価値の向上を求めるようになった。
上場維持の基準が厳しくなり、流通株主比率の向上や資本効率の改善策が求められるようになった。
また伊藤忠商事のケースのように、アクティビストからの圧力もある。
資本効率の向上に加え、子会社によるキャッシュが親会社に使われていることを指摘したり、子会社を売却して自社株買いに充てることなどが要求されている。
●親子上場廃止は投資のチャンス?
上場廃止が発表されると、子会社の株価は上昇する。
親会社がTOBを行う際に、市場価格に30%~50%の「プレミアム」を上乗せさせて買い取る。
これに加え、アクティビストの介入で上昇圧力を招くケースがある。親会社は買収を成立させるためにTOB価格を引き上げることがある。
こういったことから、親子上場廃止の発表前に、思惑から子会社の株が買われることがある。
親会社も資本効率の向上により、株主還元も期待され、株価が上昇するケースが多く、一石二鳥になることも多い。
しかしプレミアムが上乗せされすぎて、買取負担が大きいとなれば、株価にはマイナスに働くこともあるため、子会社化の内容を見極める必要がある。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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