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武田薬品株は収益下方修正を引きずるのか、新製品候補に目を向けるのか
武田薬品工業(4502、東証プライム市場&NY市場)。国内製薬首位。がん治療薬(代表薬:ニンラーロ)/中枢神経治療薬(トリンテリックス)/消化機器治療薬(エンディビオ)/希少疾患治療薬(アドベイト)/ワクチン(デング熱ワクチン)に注力。消化性潰瘍治療薬:タケキャップでは世界トップのシェアを有し、希少疾患分野では世界的な存在感を示すとされる。
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周知の通り2019年に約6兆8000億円(当時の為替レート換算)を投じ、希少疾患治療薬を軸としていたシャイアーを買収。世界で10指に数えられる売上高の、国際的製薬企業の仲間入りを果たした。
そんな武田薬品に、驚かされた。株価が10月31日に前日比2.5%近く下落した(引け値:4153円)。今2026年3月期の期初計画「1.1%減収(4兆5300億円)、38.7%営業増益(4750億円)」に対し30日の引け後に、それぞれ「4兆5000億円、4000億円」に下方修正したのである。売上高から最終利益まで、アナリストの予想平均値(QUICKコンセンサス)を下回った。
「EMTAYVIO(エンタイビオ、潰瘍性大腸炎治療薬)の売上不振、VYVANSE(ビバンゼ、多動性障害治療薬)が米国市場で後発品に市場を阻害された」と説明された。
が、どうか。難しい・・・と言われればそれまでだが、世界10位以内にカウントされる大手製薬会社が、市場の読み方を期初段階でそうも易々と間違ってしまうものなのか。アナリストの間からは、こんな声も聞かれてくるが・・・。
「武田薬品の収益動向を振り返ると、想定以上の商品動向の波に伴う(利益の)ブレが窺えることは事実。逆もまた真」。ちなみに前25年3月期まで4期間の営業利益動向は「9.5%減益」-「6.4%増益」-「56.4%減益」-「60.0%増益」。
会社四季報秋号は業績欄に【快走】の見出しを打ち、「主力のビバンゼは特許切れでの後発薬参入響き急減。が、エンタイビオや抗がん剤などは順調増・・・」としている。秋号は8月の取材で作成される。
武田薬品の株価は本稿作成時点で4300円台入り口。全体相場の下落につられ4月中旬に3916円まで値を崩した後、9月上旬に4670円まで戻り横ばいの中で大幅安。
大手医薬品メーカーの収益は新開発品動向に負うところが大きいとされる。四季報材料欄にも【期待】の見出しで臨床試験が進む新製品が記されている。第2相~第3相の試験段階、適用拡大品目が40以上あることはホームページでも確認できる。株価はソコに目を転じるのだろうか。IFIS目標平均株価は4905円だが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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