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懸命な策を執る:ホープが「新電力」禍から抜け出せるのはいつなのか
ホープ(6195、東証グロース市場)。怖いもの見たさで、何年ぶりかに覗いてみた。会社四季報は特色欄で「自治体の課題解決支援に軸足」とし、業績欄は【好伸】材料欄は【弾み】の見出しを打っている。
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過去の忌まわしい出来事は、この限りでは跡形も感じられない。しかし株価状況は、依然として「忌まわしい過去」を引きずるかっこうだった。
前2025年3月期まで5期間の収益動向を振り返ると、21年6月期&22年6月期はそれぞれ「68億9700万円」「166億5100万円」の営業赤字に沈んでいる。
このことを、22年3月28日付けの東京商工リサーチは<新電力会社「破産」でホープが失ったもの~会社分割から3か月での「破産決議」~>の見出しで、こう発信している。
「東証マザーズと福証Q-Boardに上場するホープに注目が集まっている。電力小売事業(新電力)に参入して業績を急拡大してきたが、電力調達価格の高騰で一転して窮地に陥った。21年12月の持株会社化に伴い分割したホープエナジーは、電力会社からの送配電取引契約を解除され、破産すること22年3月22日に公表した。負債総額は約300億円。ホープエナジーが担っていた電力小売はグループの中核事業で、グループ売上高の93.1%(21年6月期)を占める。売上高の9割以上を喪失し、屋台骨揺るぎかねない状況。信頼回復に向けた取り組みが急がれる」。
当時の新電力絡みの厳しさは、こんなデータにも明らか。22年10月から24年9月まで毎年の登録件数720~730に対し、各年の撤退・倒産件数は「75/96/99/113/123」。
新電力参入は「業容拡大」を図った、創業者社長の時津孝康氏により実践された。
23年3月期以降は回復傾向に転じた。「売上高21億5700万円(42%減収)も1億8100万円の営業利益」「18.4%増収、25.8%増益」「23.0%増収、27.9%増益」。そして今3月期は「9.8%増収(34億4600万円)、16.7%増益(3億4000万円)」計画。
確かに売上高規模は22年6月期の10分の1水準。が「金融仲介会社や九州地盤の税理士法人と提携、企業版ふるさと納税支援の顧客紹介で事業成長」(四季報材料欄)など、回復基調に積極策を打っている。自己株式取得(今年9月、株数2万8500株/金額2661万600円)といった前向きな施策も展開している。
本稿作成中の株価は200円弱水準。ホープが「新電力」禍から脱却するのはいつなのか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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