中国製粗悪タブレット事件も参考に

2024年4月26日 15:31

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昔のアメ車は1気筒ミスした位でも平気で走行した ©sawahajime

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 「信頼のおける工業製品」の製造国を問われた場合、どこの国が挙げられるだろうか?国産(日本製)は当然だが、一般的には欧米諸国が思い浮かぶ筈だ。

【こちらも】EV車造りとは  「eAxle」と 水中写真家からの考察

 イギリス、スイス、ドイツ、フランス、イタリアや、北欧のスエーデン、デンマーク等々が挙げられるだろう。韓国や中国だと言う人は、皆無とは言わないが、決して多くはないと考えてしまう。

 「安かろう悪かろう」の代表格の国の製品に、「信頼がおける」とする神経が筆者には判らない。

●一昔前の輸入車を棚卸し

 現在の様に、輸入車のレベルが向上して、比較的手軽に購入される様になる以前は、「外車」はある程度の「覚悟」をして購入する必要があった。

 例えばドイツ製なら、当時から最高峰と称賛された銘柄でも「電気系」に不安があった。

 イタリア製の場合は、陽気なラテン系の乗りで、「晴れた日でも雨漏りするから、雨の日に水が浸入するのは当たり前」とか言われていた。

 フランス車の場合は、「新車で買って、1年間のうち8カ月は整備入庫で、4カ月だけまともに乗れた」と友人から「自慢げに」聞かされた。

 アメ車はラフな造りで、「8気筒のうち1気筒位死んでいても、そこそこ走る」とか言われていた。

 当時は外車信仰から、始動性の悪いスポーツカーでも、「上手く始動できないのは、腕前が悪いのだ」と言われてそのメーカーは無罪放免だった。

 外車乗りは、「クルマ通」を自認し、トラブルも「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」として、愉しむ余裕もあった。

 勿論、その頃は未だ中国や韓国は「自動車産業」なんて呼べるレベルとは程遠かった。

●初めて外車を買った人の反応

 当時、外車は高額でもあり、一般人には手が届き難かった。

 当時のアメ車ユーザーは、故障もある程度は覚悟しているから、例えば六本木辺りで故障したら、ディーラーに連絡して、その場に放置してタクシーなりで帰宅する。

 その後、「修理後の車をどちらにお届けしますか?」とディーラーから連絡があって、「自宅に届けて置いてくれ」とか、「夕方までに会社に届けてくれ」といった指示をする。

 外車に乗るという事は、そんなものだと割り切っていたのだ。

 ところが、初めてアメ車を購入するユーザーは、「国産車よりも相当割高な車だから、従来の国産車の上級機種を買った」みたいな感覚でいる。

 それが、国産大衆車でも起こらない様なトラブルに見舞われて、「大金を叩いたのに!」と、怒り心頭となる。

 マツダが1981年に「オートラマ」なるフォードチャンネルを展開した際、「マツダ製のフォード車」には何等問題が起こらなかったが、米国製のフォード車を購入したユーザーは、アメ車がこんなトラブルを起こすのかと、アタマに来ケースもあった。

 従来の、金持ちのアメ車乗りとの、認識の相違が著しかった訳だ。

●簡単にでっち上げる事が可能なEV車

 『EV車造りとは~「eAxle」と 水中写真家からの考察』(2024年3月11日付)で述べた様に、前提条件として「自動車生産」の経験は必須だが、優秀な「eAxle」と安全な「車載電池」さえ手に入れば、そこそこの性能のEV車はでっち上げる事は可能だ。

 中国のBYDの場合、1995年に創業し、2003年に自動車に進出した。

 1995年(平成7年)と言えば、阪神淡路大震災が発生し、オウム真理教による地下鉄サリン事件が発生した年だ。2003年(平成15年)からと言っても、人間なら漸く成人に達した程度の年月でしかない。

 良く引合いに出すコロナの場合、初代のコロナRT10(1957年~1960年)、2代目RT20/30(1960年~1964年)を経て、3代目 RT40/50(1964年~1970年)にして 漸く2代目で指摘されたボディ強度不足も解決し、クラストップ銘柄となった。

 従来から自動車を造っていたメーカーにしてさえ、一つの車種を完成させるには7年の月日が必要だった。

●こんなレベルの製品を造る国

 徳島県の県立高校が3年前、全校生徒、約300人にタブレット端末を配布したところ、その半数以上が、2023年の夏以降、次々と故障する異例の事態になっている。

 徳島県の教育委員会によると、県立の全ての高校に同じ端末が配布されているが、3月までに1万6500台のうち、その半数を超える9100台以上が使用不能になっている由。

 考えもせずに、安さだけで「中国製」を選ぶなんて、無知では済まされない。

 おまけに、製造元の中国の会社に接触を試みると、電話を切られてしまったそうだ。相手は「メーカーの製造責任」なんて微塵も感じていない。

●慎重に検討した上で選択を

 「人命を預かる」自動車を購入するのに、技術の蓄積もないメーカーの製品を選択するのは、大胆に過ぎる。

 組み立てラインで工員がスマホをいじっているメーカーの製品にも、信頼はおけない。

 長い歴史を生き抜いて、それなりの技術を磨いて来た銘柄の中から、自身の好みのメーカーを選定すれば良い。

 欧米の銘柄も、一昔前のレベルよりは品質的には安定して来た。昔から憧れていたガイシャを選ぶのも悪くないが、国産車と較べればトラブル発生頻度は多くなるのは、覚悟しておいた方が良いだろう。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る

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