使えたら便利な中国語 すぐに覚えられてずっと役立つ「とっさの一言」TOP10

2023年12月6日 09:01

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 「大丈夫?」、「元気?」といった思いやりの言葉は、コミュニケーションの潤滑油だ。外国でもこうした言葉を多用すれば、人との距離が縮まりコミュニケーションの機会や時間が増え、語学の上達にもつながる。

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 今回は、中国への留学・出張を予定している人、さらには日本に居ながらにしてできるだけネイティブらしい中国語表現を習得したい人を対象に、よく使う「とっさの一言」を紹介する。自然な会話の流れの中で使えるよう、会話形式の例文で学んでいこう。

■1.没事儿méi shì r(大丈夫)

 ・会話の例
 Aさん:「你没事儿吗?(大丈夫ですか?)」
 Bさん:「没事儿,没事儿,放心吧(大丈夫、大丈夫、心配しないで。)」

 語尾に「吧」や「吗」を置いて「没事吧?(大丈夫だよね)」、「没事吗?(大丈夫ですか?)」といった使い方をすることも多い。

■2.好啊hǎo a(うん、分かった、オッケー)

 ・会話の例
 Aさん:「等我一下(ちょっと待って)」
 Bさん:「好啊(分かった)」

 類似の言葉に「好的」があるが、「好啊」の方がよりくだけた言い方になる。また「好吧」もよく耳にする言葉だ。こちらは「まぁ、いいけど」と、不本意ながらといった意味合いが込められるときもある。

■3.好好儿hǎo hāo r(よく、ゆっくり、しっかり、十分に)

 ・会話の例
 Aさん:「忙了一天,累死了(一日中忙しかったから、ほんとに疲れた)」
 Bさん:「好好儿休息吧(ゆっくり休んでね)」

 「好」は用途の広い便利な言葉だが、日本語の「好き」という意味で使われることはない。1文字で使う場合は「良い」、「いいよ」、「分かった」という意味だが、好好儿と二つ重ねると上記のように副詞として使うことができる。「好多(かなり多い)」「好长(とても長い)」「好累(ひどく疲れた)」「好痛(すごく痛い)」のように程度が著しいという表現としても多用されている。

■4.慢点儿màn diǎn r(ゆっくり、慌てずに、気を付けて)

 ・会話の例
 Aさん:「慢点儿,慢点儿,不要急(ゆっくりゆっくり、慌てないで)」
 Bさん:「可是他们在等我呢(でも、彼らが私を待っているから)」

 中国人は大陸気質で鷹揚な人が多く、日本人が「早く!」、「急いで!」と言葉をかけるような場面でも、逆に「ゆっくり!」、「慌てないで!」と言葉をかける。

 二つ重ねて「慢慢走(気を付けて行って)」、「慢慢吃(ゆっくり食べて)」、「慢慢说(落ち着いて話して)」などと言うこともある。

■5.不好意思bù hǎo yì si(すみません、ごめんなさい、恥ずかしい、決まりが悪い)

 ・会話の例
 Aさん:「对不起,还没准备好(ごめんなさい、まだ準備ができてなくて)」
 Bさん:「没事儿,还早啊(大丈夫、まだ時間があるから)」

 中国語の授業や教材では謝罪の言葉として「对不起」を学ぶが、こちらは正式な謝罪や改まった場面で使われることが多い。実際の生活の中ではより軽いニュアンスの「不好意思(ごめんね)」を使った方が自然だ。また、「不好意思」は英語の「Excuse me」のように「ちょっと失礼」といった意味合いで使うこともできる。用途が広く便利な言葉なので覚えておきたい。

■6.要不yào bù(なんなら、あるいは、よかったら)

 ・会話の例
 Aさん:「我想去买东西,不过我很忙,没时间(買い物に行きたいのだけど、忙しくて時間が無いの)」
 Bさん:「要不,我帮你去买吧(なんなら、私が代わりに買ってこようか)」

 「要不」は、誰かに提案をするとき、相手に選択権をゆだねるときに添える言葉だ。短く小さい声でこの言葉を添えるだけで、押しつけがましい感じがなくなる。

■7.算了吧 Suàn le(まぁいいや、もういいよ、やめにするよ、仕方ない、あきらめよう)

 ・会話の例(1)
 Aさん:「我不想去参加今天的晚会(今夜のパーティー、行きたくないなあ)」
 Bさん:「那就算了吧(じゃあ、行かなくていいよ)」

 ・会話の例(2)
 Aさん:「我丢了你的书,我赔你钱吧。」(あなたの本、失くしちゃったの。弁償するわ)
 Bさん:「算了吧」(まぁ、いいや)、(要らないよ)

 問題を追及しない、何かをあきらめるときに使う言葉。相手の責任や過失を免ずる、許すときにも使われ、この一言で相手の気持ちが軽くなる思いやりの言葉だ。「算了,算了(いいよ、いいよ)」と2回続けて言うこともある。

■8.快了kuài le(もうすぐ、そろそろ)

 ・会話の例
 Aさん:「她还没回来啊?(彼女はまだ帰ってこないの?)」
 Bさん:「快了,再过十分钟就回来(もうすぐだよ、あと10分もすれば戻るよ)」

 「もうすぐだよ」、「もうそろそろだよ」と、焦る相手を安心させるときにかける言葉。「快毕业了(もうすぐ卒業だ)」「快十点了(そろそろ10時だ)」「快吃饭了(すぐご飯になるよ)」などと、快と了の間にすぐに起こる物事の対象を入れる言い方もよく耳にする。ネイティブが多用する言い回しなのでぜひ習得したい。

■9.放心吧fàng xīn ba(安心して、大丈夫よ)

 ・会話の例
 Aさん:「这次活动他不能来参加,怎么办?(彼今回のイベントに出られないかも、どうしよう?)」
 Bさん:「放心吧,有我在呢(安心して、私がいるでしょ)」

 心から放つという漢字が示す通り、相手に心配する必要が無いと伝える言葉。「那我就放心了(なら私も安心だわ)」と、私を主語にして使うことも多い。「你放心去吧(安心して行って)」「我放心使用(安心して使う)」といった言い方もできる。

■10.小心啊 xiǎo xīn a(気を付けて、注意して、用心して)

 ・会話の例
 Aさん:「下雪了,路很滑,小心啊(雪が降って道が滑りやすくなっているから気を付けてね)」
 Bさん:「好的,我会小心的」(分かった、気を付けるね)

 「小心」と類似の言葉に「担心」があり、不幸なこと不愉快なことが起こるのを心配しているときに使われ、「小心」にくらべると少し深刻なニュアンスを持つ。「小心」は用途が広く気軽に使えるためか頻繁に耳にする。

 「不小心」とすると「うっかりして」、「不注意」でという意味になる。後ろに「何を、何に」にあたる言葉を加えて「不小心摔倒了(うっかりして転んでしまった)」などと言うことも多い。また、「路上小心啊(行ってらっしゃい)」は出かける人に対してかける常套句なので、一緒に覚えておこう。

 今回紹介した言葉は、誰もが日常的によく使う気配りや親しみを示す言葉だ。幅広い意味を持つため、上記で紹介した会話文といつも1対1で対応しているわけではない。 様々な場面で繰り返し使って、相手の反応や返答を聞きながら適格な使用方法を習得していこう。

 「啊」、「了」、「呢」などは、日本語では「~よ」、「~ね」にあたる語気助詞だ。上記の会話文からも見て取れるように、語気助詞を効果的に使うと会話がなめらかになる。ドラマや小説からも習得できるので、普段から注意して聞いたり話したりしてみよう。(記事:薄井由・記事一覧を見る

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