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バーリ氏の半導体プットオプション取得が意味することとは?
●バーリ氏が半導体株の下落に賭けるオプション取引
著名投資家バーリ氏が率いる資産運用会社が、2023年第3四半期に半導体株の下落に賭けるオプション取引をしたと、ロイター通信などが報じている。
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同時にナスダック100とS&P500のプットオプションを9月末時点で解消していたことも分かった。
この1年に慌ただしい動きを見せたバーリ氏だが、その予想は的中していたのか?半導体株は今後どうなるのだろうか?
●バーリ氏とは?この1年の動き
著名投資家マイケル・バーリ氏は、カリフォルニア州サンノゼで生まれ育ち、医学部を卒業。スタンフォード病院の研修医から1990年半ばに投資家へ転身した。
2000年からサイオン・キャピタルを立ち上げ、サブプライムローンを見抜き、2008年の金融危機で1億ドル(約150億円)以上の利益を得た。
その後、サイオン・キャピタルを整理し、2013年からはサイオン・アセット・マネジメントとなっている。
2022年5月には著しく高騰した資産バブルに警鐘を鳴らし、FRBのインフレ抑制策を批判していた。S&P500の50%下落も予言。同年9月にはコロナ融資・給付金・ローン免除などの支援策の打ち切り後を警戒していた。
2023年に入り、2月のFOMC前の1月31日に一言「売れ」とツイートしたことが波紋を広げたが、後に判断ミスだったと認めている。
8月16日には米株式市場が下落することに16憶ドル(約2400億円)以上賭ける取引を行っていたことが発覚した。
●バーリ氏は的中するのか?
2月の売り指令については過ちを認めたが、8月の売りについては結論が出ていない。売りが発覚した時にS&P500は少し下落したが、すぐに上昇した。
その後、10月27日に5月以来の4117まで下落したが、プットオプションは9月末に解消してしまっていた。時期はずれたが、底を打ったと見たのだろう。
バーリ氏の報道があった同時期に、SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)は急騰している。一方で、エヌビディア株は1.5%下落していた。
好調な自動車販売が影響し、半導体も好調である。
今のところSOXもS&P500やNYダウと同様に10月27日に底入れしてから上昇に転じており、バーリ氏の予想は的中しているとは言えないが、不気味な動きではある。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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