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独自3工法で建設基礎工事大手:テノックスは好収益期入り、至今期中計を達成しうるか
テノックス(東証スタンダード)。建設基礎工事の大手。「テノコラム工法等独自の3工法武器に・・・」(四季報特色欄)。
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テノックスに興味を抱いたのはある時に見かけた、一見して「コンクリート製」の枠の様な土台が敷かれた建設現場だった。建物とは全く別物。「入っちゃダメ」と言われたが、「なんですか、そこに設置されている土台のようなものは」と聞いた。「これは、基礎工事を施した後だよ」と教えてもらった。
戻ると早々に「建設基礎工事とは」を調べて、「地面と建物のつなぎ部分にあたる基礎を造るための工事」と知った。基礎工事で自分が目撃した枠・土台がしっかりできていなくては、上に立つ建物も不安定になりかねない。そう思ったのがキッカケで、建設基礎工事を手掛ける企業を探した。出会ったのがテノックス。
HPで「工法」を調べた。いくつもが記されていた。が四季報が指摘した「独自の3工法」がどれかは見当がつかなかった。問い合わせた。経営企画部のIR担当者から、こう返信されてきた。3工法とは「テノコラム工法」の他、「旭化成建材と共同研究開発したATTコラム工法」「日本製鉄・クボタと共同研究開発したガンテツパイル工法」。それぞれについて私が咀嚼できる範囲で記すと、こんな工法である。
◆テノコラム工法: スラリー状(スープ状)にしたセメント系固化材を注入しながら、原地盤と固化材液を攪拌混合し造る、深層混合処理工法。
◆ATT工法: 柱状改良体の中に「羽根付き鋼管杭」を埋設した、大きな摩擦力と高い靭性を有した合成鋼管杭工法。
◆ガンテツパイル工法: セメントミルクを注入しながら、原位置土と攪拌混合し造ったツイルセメント柱(固化体)の中央に、外面に突起物を有した鋼管杭を圧入する合成杭を造る工法。
都市再開発の動きが加速し、テノックスの建設基礎工事需要は高まっているとみるが・・・。
コロナウイルス感染症の影響から2022年3月期には切り返す動きが見られ、前3月期は「23.6%増収、40.0%営業増益、34.9%最終増益、10円増配35円配」。今3月期も「15.7%の増収(212億円)、24.0%の営業増益(8億1000万円)、16.0%の最終増益(5億6000万円)、3円増配38円配」計画。
本稿作成中の時価は1100円台終盤、予想税引き後配当利回り2.56%。8月末の年初来1251円からの調整場面。
この範囲内では投資妙味を覚えるが・・・テノックスには「なにがなんでも」クリアしなければ株価が「?」と首を傾げかねない目標がある。至今期末の中計目標だ。「売上高220億円、経常利益15億円」。今期計画でも売上高、経常利益(8億4000万円)。未達に終わりかねない懸念が伴う・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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