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140周年企業:住江織物の「国会の赤じゅうたん」と「自動車産業」
住江織物(東証プライム)。生涯この足で踏むことは100%ないが、先般も岸田政権の内閣改造時に大臣・副大臣・政務官が誇らし気?に並び立った国会の「赤じゅうたん」。住江織物の特注商品だと、初めて知った。なんでも、古くは帝国議事堂の絨毯の類も住江製だという。
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住江織物は1883年に創業者:村田伝七氏が、大阪住吉村(現:町)で手織りの緞通(敷物用織物)の製造を始めたのが祖業。2023年は創業140年を迎えることから、2022年5月期には厳しい収益環境ながら記念配を含み前の期に比べ35円増配の70円配を実施している。そんな歴史的企業の収益動向、足元の状況はどんな具合か。
21年5月期「12.9%減収、32.6%営業減益、15円減配35円配」―22年5月期「2.5%減収、89.5%営業減益/が配当は前記の通り70円」。それが前5月期は「16.0%増収、117.6%営業増益」と急回復モード入りで「15円減配55円配」。そして今5月期計画は「4.4%増収(990億円)、100.8%営業増益26億円、15円増配70円配」。
ここにきての大幅改善は、どう捉えればよいのか。カーペット業界では長年にわたり首位を独走しているが、その業務範囲は広い。
★インテリア事業: カーペット・カーテン・壁紙・襖紙を主力に一般家庭から、オフィス・学校・病院・公共施設etcで幅広く使用されている代物。
★自動車内装事業: 天井材・シート表皮材・カーマット・フロアカーペットetc、車の内装材とし足元から天井まで広範に利用されている材。海外6カ国11拠点に製販所を設け、海外市場にも注力。
★鉄道・バス・船舶・航空機内など内装材事業: 住江織物の売りは、スミキューブ。燃焼時にシアンガスなど有毒ガスが出ない素材の使用。
★機能性資材事業: 領域の拡充を図っているいま、やはり特異な技術を活かしている。例えばトリプルフレッシュ(光も電気も使わず消臭加工する技術)による消臭フィルターを使った浴室用床材など。
が全ての事業が常に順調・好調にとはいかない。では何故、前期から着実・高い収益回復が確認できるのか。前期の決算資料に、それは明確に示されている。
前期の上記した各事業の売上・営業利益の中で群を抜いているのが、自動車・車両内装事業。前の期に比べ「20%の増収、97.8%の営業増益」。突き詰めると半導体不足の緩和による、自動車産業の復活。140周年企業はいま、自動車産業の立ち直りを証明するように盛り上がりを手にしようとしているのである。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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