28日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反発、インフレ鈍化で金利高懸念が後退

2023年7月31日 07:53

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記事提供元:フィスコ

*07:53JST 28日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反発、インフレ鈍化で金利高懸念が後退
■NY株式:米国株式市場は反発、インフレ鈍化で金利高懸念が後退

ダウ平均は176.57ドル高の35,459.29ドル、ナスダックは266.55ポイント高の14,316.66で取引を終了した。

個人消費支出(PCE)コア価格指数の伸びが予想以上に鈍化しインフレ鈍化傾向を再確認したため買いが先行。また消費の堅調さも確認され、ソフトランディング(軟着陸)期待も買い材料となった。さらに、消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(PG)や半導体のインテル(INTC)の好決算も寄与。金利の低下でハイテクの買いも再燃し相場上昇を後押しした。セクター別では自動車・自動車部品が上昇した一方で、保険が下落。

半導体のインテル(INTC)は昨日引け後に発表した第2四半期決算で3四半期ぶりに予想外の黒字に回復したほか、PC需要の底打ちで第3四半期の強気見通しを示し上昇。動画配信のロク(ROKU)は四半期決算で損失が警戒された程には広がらず安心感から買われた。地銀のニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(PG)は四半期決算で値上げにの中でも売り上げが落ちず収益改善が好感され上昇。医薬品メーカーのバイオジェン(BIIB)は希少疾患強化を目指しバイオのリアタ・ファ―マシュ―ティカル(RETA)の買収を発表し上昇した。

一方で、エネルギーのエクソンモービル(XOM)は原油安が響き、四半期決算の内容がふるわず失望売りが先行。また、自動車メーカーのフォード(F)は電気自動車の生産拡大計画を見直し、同部門で想定を上回る赤字見通しを示したことが嫌気され、売られた。

投資家の恐怖心理を示すVIX指数は13.27まで低下した。

(Horiko Capital Management LLC)


■NY為替:ドル・円は141円台に戻す、米国経済のソフトランディング期待でリスクオン

28日のニューヨーク外為市場でドル・円は、139円16銭から141円18銭まで上昇し、141円17銭で引けた。日銀の植田総裁の発言「YCCの運用柔軟化、正常化へ歩みだす動きではない」などを材料に一部円買い持ちの手仕舞いに拍車がかかったと見られるほか、米国のコアPCE価格指数の伸び鈍化も個人消費支出(PCE)は強くソフトランディング期待にリスク選好の円売りも強まった。

ユーロ・ドルは、1.0993ドルへ弱含んだのち1.1047ドルまで上昇し、1.1019ドルで引けた。米4-6月期雇用コスト指数や米6月コアPCE価格指数の伸び鈍化を受けた長期金利低下に伴うドル売りが優勢となった。ユーロ・円は153円20銭から155円60銭まで上昇。日欧金利差縮小観測が緩和した。ポンド・ドルは、1.2887ドルまで上昇後、1.2840ドルへ反落した。ドル・スイスは0.8661フランまで下落後、0.8704フランまで上昇。


■NY原油:強含み、株高を意識した買いが入る

NYMEX原油9月限終値:80.58 ↑0.49

28日のNY原油先物9月限は強含み。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前営業日比+0.49ドル(+0.61%)の80.58ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは79.07ドル-80.71ドル。米国市場の序盤にかけて79.07ドルまで下げたが、株高を受けた買いが入ったことで通常取引終了後の時間外取引で一時80.71ドルまで買われた。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 31.90ドル -0.05ドル(-0.16%)
モルガン・スタンレー(MS) 91.57ドル -0.33ドル(-0.36%)
ゴールドマン・サックス(GS)353.23ドル -1.28ドル(-0.36%)
インテル(INTC) 36.83ドル +2.28ドル(+6.60%)
アップル(AAPL) 195.83ドル +2.61ドル(+1.35%)
アルファベット(GOOG) 133.01ドル +3.14ドル(+2.42%)
メタ(META) 325.48ドル +13.77ドル(+4.42%)
キャタピラー(CAT) 260.43ドル +2.13ドル(+0.82%)
アルコア(AA) 34.76ドル +0.85ドル(+2.51%)
ウォルマート(WMT) 159.91ドル +0.75ドル(+0.47%)《ST》

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