11日の中国本土市場概況:上海総合0.6%高で続伸、自動車とハイテクに買い

2023年7月11日 16:50

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記事提供元:フィスコ

*16:50JST 11日の中国本土市場概況:上海総合0.6%高で続伸、自動車とハイテクに買い
11日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比17.67ポイント(0.55%)高の3221.37ポイントと続伸した。


中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。国内景気の回復遅れが懸念される中、当局は追加の刺激策を打ち出すとの観測も根強い状況だ。市場関係者の間からは、中国人民銀行(中央銀行)は金融緩和のスタンスを強めるとの見方も出ている。昨夜の米債券市場で、米長期債利回りが急低下したこともプラス材料だ。11日の外国為替市場では、人民元高・米ドル安の動きが一段と進んでいる。ただ、上値は限定的。指標発表前に、様子見ムードも漂った。中国では今週13日に6月の貿易統計、週明け17日に第2四半期GDP成長率、6月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産)などが報告される。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、自動車の上げが目立つ。安徽江淮汽車集団(600418/SH)が5.0%高、長城汽車(601633/SH)が2.3%高、広州汽車集団(601238/SH)が1.7%高、上海汽車集団(600104/SH)が1.5%高で引けた。販売不振の不安がやや後退している。業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)は10日、今年7月の乗用車小売台数がマイナス成長に陥ったとしても「正常な現象」であると指摘。比較対象となる前年同月の実績が高かった点に言及した。


ハイテク株も高い。電子部品メーカー大手の環旭電子(601231/SH)が5.0%、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が4.1%、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)とIC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)がそろって3.9%ずつ上昇した。


金融株もしっかり。中国工商銀行(601398/SH)と中国平安保険(601318/SH)がそろって1.3%高、中国銀行(601988/SH)が1.0%高で取引を終えた。素材株、医薬品株、インフラ関連株、不動産株なども買われている。


半面、発電株はさえない。華電国際電力(600027/SH)が1.6%、大唐国際発電(601991/SH)が1.2%、上海電力(600021/SH)が0.8%ずつ下落した。メディア・娯楽株、石炭株や運輸株の一角も売られている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.88ポイント(0.71%)高の267.44ポイント、深センB株指数が5.07ポイント(0.44%)高の1153.53ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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