生活密着PB商品で好調:ドウシシャのPBR0.92倍 1倍回復が期待できる背景

2023年5月6日 16:08

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(画像: ドウシシャの発表資料より)

(画像: ドウシシャの発表資料より)[写真拡大]

 ドウシシャ(東証プライム)。自社企画・開発のPB商品を中心に成長。ブランド品などの量販店向け卸しも展開。

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 まず目を惹かれたのは前2022年3月期に「0.2%減収、25.3%営業減益、22.1%最終減益」にもかかわらず、「5円増配60円配」とした点。遡ってみると2014年3月期には30円配当だった。それがジワジワと増配基調を続け・・・という経緯。

 今3月期は「6.5%増収(971億円)、16.7%営業増益(83億円)、9.1%最終増益(56億円)、60円配当」計画。ちなみに第3四半期の計画比達成率は、「87%、87%、89%」と連続増配に余韻を残す。

 2期連続予想が「売り」の四季報は来期も「好調持続」とし「配当60~65円」の予想。22年9月時点の「外国人持ち株比率18.8%」も、順調な収益動向に基づく「配当政策/増配実績」が背景と捉えられる。

 PB商品の自社企画・開発・・・と言うがドウシシャを知るアナリストは、「一口で言うと、生活密着に基づいた商品が主。代表例に今もってヒット商品の“こびりつきにくいフライパン”。フライパンで言えば直近では“四角いフライパン”が人気化している。立てかけて収納が可能という代物だが、発売1年で20万枚以上売っている」と説明する。

 周知の通りコロナの影響が和らぎ始めたいま、マスクの有無が話題となっている。果たしてドウシシャの狙いが受け入れられるか外れるか注目したいのが、プラチナレーベルなるPB商品。4月20日に、『46種類もの成分を贅沢に配合した 目元全体に使える「まつ毛美容液」を発売』と題するニュースリリースが配信された。内容はかいつまむと、こんな具合。

<昨今、マスクの着用により「目元は顔の印象を決定づける重要なパーツ」という認識が定着した。マスクを着用しない日が増えることにより、以前よりアイメイクへの関心が高まってきているのではないか。そこで私たちは、すっぴんでも魅力的で映えるアイメイクのための『まつ毛と目元ケア』ができる美容液を開発した。『毎日使用でき、満足できる使用感の商品を手に取りやすい価格で』ということにこだわった商品だ。デイリーケアアイテムになりつつある「まつ毛美容液」が、誰にでも使いやすい仕様になっている。昨年12月に眼刺激性試験を実施、眼損傷/刺激作用を有する物質とは分類されないという試験結果を得ている>

 また人気をはくしているキャンプ。市場に、大光量で63gという軽量の充電式ランタンの投入etc幅広い。

 速やかなPB商品開発に不可欠と言える自己資本比率が77.9%という点にも、頷かされる。

 昨秋以降、右肩上がりの傾向にある。先のアナリストは「東証のPBR1倍以下の改善勧告が、背景にあるとも受け止められる」。ちなみに時価の予想税引き後配当利回り2.32%。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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