関連記事
3日の香港市場概況:ハンセン0.04%高で5日続伸、半導体とカジノに買い
*18:00JST 3日の香港市場概況:ハンセン0.04%高で5日続伸、半導体とカジノに買い
週明け3日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比9.07ポイント(0.04%)高の20409.18ポイントと小幅ながら5日続伸する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は28.41ポイント(0.41%)安の6940.45ポイントと5日ぶりに反落した。売買代金は1204億1580万香港ドルに縮小している(3月31日は1405億7300万香港ドル)。
中国景気の先行き楽観が相場を支える流れ。経済活動正常化(リオープン)により、一部業界では新型コロナウイルス流行で落ち込んだ業績が急回復している。中国景況感の下振れなどで、指数は安く推移する場面がみられたものの、本土株が小高く引ける中、ハンセン指数も終盤に入りプラスに転じた(本土株指数は下げ幅縮小)。取引時間中に発表された民間集計の財新製造業PMIは50.0にとどまり、予想(51.4)を大幅に下回っている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(981/HK)が7.5%高、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が7.0%高、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が6.5%高と上げが目立った。
セクター別では、半導体が高い。上記した中芯国際集成電路製造のほか、華虹半導体(1347/HK)が5.8%、晶門半導体(2878/HK)が5.1%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.6%ずつ上昇した。先端技術を巡る米中摩擦が強まる中、当局は産業支援の姿勢を続けるとの期待が根強い。米国の半導体メモリー大手、マイクロン・テクノロジーの製品に対する中国当局の調査開始が明らかとなった。
カジノ銘柄も急伸。前記した金沙中国のほか、永利澳門(1128/HK)が8.8%高、美高梅中国HD(2282/HK)が7.2%高、澳門博彩HD(880/HK)が6.4%高と値を上げている。マカオ政府は1日、今年3月の域内カジノ売上高が前年同月比246.9%増の127億3800万パタカ(約1740億円)に拡大したと報告。プラス成長は3カ月連続で、増加率は前月の33.1%から大幅上昇した。
空運セクターもしっかり。中国南方航空(1055/HK)が4.3%高、中国国際航空(753/HK)が3.4%高、国泰航空(293/HK)が2.4%高、中国東方航空(670/HK)が1.9%高と値を上げた。
オンラインゲーム関連も物色される。IGG(799/HK)が29.5%高、中手遊科技集団(302/HK)が6.5%高、網龍網絡HD(777/HK)が5.2%高、心動(2400/HK)が3.2%高で引けた。人工知能(AI)関連として、改めて注目されている。ゲームコンテンツ製作にAIが活用されるとの見方だ。
半面、海上輸送や港湾運営の海運関連セクターは安い。中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.0%、中遠海運HD(1919/HK)が3.6%、東方海外(316/HK)が2.0%、招商局港口HD(144/HK)が7.1%、中遠海運港口(1199/HK)が5.2%ずつ下落した。
一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.72%高の3296.40ポイントで取引を終了した。ITハイテク株が高い。石油株、不動産株、通信株、インフラ関連株、素材株、保険・証券株、軍事関連株、空運株なども買われてた。半面、医薬品株は安い。公益株、銀行株、消費関連株の一角も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》
スポンサードリンク