31日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で4日続伸、京東とアリババに買い

2023年3月31日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 31日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で4日続伸、京東とアリババに買い
31日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比90.98ポイント(0.45%)高の20400.11ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が46.20ポイント(0.67%)高の6968.86ポイントとそろって4日続伸した。売買代金は1405億7300万香港ドルとなっている(30日は1335億9380万香港ドル)。


中国景気の先行き不安が後退し、投資家心理が上向く流れ。寄り付き直後に公表された今年3月の中国製造業PMIは51.9で推移し、前月(52.6)から低下したものの、予想(51.6)を上回っている。また、非製造業PMIは58.2に達し、予想(55.0)を大幅に上回った。中国テック企業の価値向上を図る動きもプラス。中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)は30日引け後、不動産、産業サプライチェーン技術・サービスを手がける子会社2社をそれぞれ分離し、香港メインボードに上場させる計画を明らかにした。これより先には、同業最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が事業グループを6つに分割・再編すると発表している。また、アリババは傘下の物流サービス会社、菜鳥網絡科技(ツァイニャオ)を香港で新規株式公開(IPO)する準備に着手したもよう――などと報じられた。京東集団株は5.4%高、アリババ株は3.6%高と買われ、全体相場を押し上げている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、上述した2銘柄のほか、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が6.6%高、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が3.9%高と上げが目立っている。


セクター別では、中国の保険・証券が高い。上記した中国人寿保険のほか、新華人寿保険(1336/HK)が3.9%、海通証券(6837/HK)が1.9%、華泰証券(6886/HK)が1.7%ずつ上昇した。


マカオ・カジノ銘柄もしっかり。美高梅中国HD(2282/HK)が6.2%高、新濠国際発展(200/HK)が4.8%高、澳門博彩HD(880/HK)が2.9%高、金沙中国(1928/HK)が2.6%高で引けた。


非鉄セクターも物色される。新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.8%高、中国アルミ(2600/HK)が3.4%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が1.7%高と値を上げた。ニッケル大手の新疆新キン鉱業が公表した決算は44%増益となり、期末配当の実施も予定されている(前年はなし)。


そのほか、業績動向を手がかりにした値動きでは、白物家電大手の海信家電集団(921/HK)が5.6%高。同社の決算は47%増益で、配当の増額が予定されている。太陽光発電素材メーカーの協キン科技HD(3800/HK)が4.6%高。同社の決算は純利益が215%増に拡大し、配当実施も予定された(前年なし)。


半面、海運セクターはさえない。中遠海運HD(1919/HK)が5.8%、海豊国際HD(1308/HK)が3.7%、太平洋航運集団(2343/HK)と東方海外(316/HK)がそろって2.6%ずつ下落した。中遠海運は増収増益で増配も予定されたが、純利益が予想に届かなかったことを嫌気している。


一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.36%高の3272.86ポイントで取引を終了した。ITハイテク株が高い。医薬品株、ゲーム株、通信株、公益株、不動産株、素材株、食品・酒造株なども買われた。半面、銀行株は安い。証券株、エネルギー株、軍事関連株、海運株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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