ネット民のEV議論に情報提供　その3 #EV車の問題点　消火が困難　環境にも悪い

●発火事故でも問題が多いEV車

　GIZMODEの報道によると、2023年1月28日、テスラのモデルSが、米カリフォルニア州サクラメント郊外の高速道路を走行している時に、炎上事故を起こした。

【前回は】ネット民のEV議論に情報提供　その2 #EV車の問題点

　テスラ社は緊急マニュアルで“完全消火”を推奨していたことから、1時間以上かけて消火活動を行ない、消防車3台と給水車が約22トンもの水を使用して鎮火にあたったという。

　報道によると、サクラメント消防局は、従来のガソリン式エンジンを搭載した車から出火した場合、消火に必要な水量は約3.2トンで、消防車1台でまかなえる水量としている。

　発火事故に際しても無駄を強いるのがEV車だと言えるだろう。

●内燃機関の車に取って代われるEV車は無い

　前提条件としては、上記の「発火事故」の様な、「車としての存在未満」なトラブルが皆無であることは必須である。

　この前提のもと、限定的な用途に対応する「運搬手段」としてのEV車は有り得るだろう。

　バスの場合は、都市内交通手段等の、一定範囲以外へ出て行かないで運行するものはOKだが、観光バスの様な広範囲に運行されるものはNOだ。

　トラックの場合、近接県との限定的な物流や、一定エリア内の宅配業務に活用することはOKだが、長距離運輸には適合しないのでNOだ。

　勿論、開発途上国ではEV車は論外で、内燃機関搭載車以外は考えられない。

●ハイブリッド車（HEV）は高度な技術が無ければ造れない

　ハイブリッド車は、搭載する「ガソリンエンジン」と、「電動モーター+車載電池」を複合的に稼働させて「自動車」を完成させている。

　ドイツがクリーンディーゼルで対抗しようとした時代のHEVシステムでも、日本は既に大きなアドバンテージを保持していたが、彼等が中国の尻馬に乗ってEV車へ追従している間に、一層技術レベルの差が拡大した。

　既に欧米ではEV車シフトの行き過ぎに対する反省も広がりつつあるが、HEVに関しては日本に教えを乞う以外は難しいだろう。

　このHEVの様な、高度で複雑なシステムを構築する能力が無くとも、「電動モーター+車載電池」だけで動くのが、単純構造なEV車なのだ。

　自動車に関する基本的な技術を持ち合わせない工場で、「電動モーター+車載電池」を搭載してでっち上げた乗り物を「自動車」とは呼べないだろう。

●技術に劣る国にとってはEV車普及が嬉しい

　ドイツは当初「クリーンディーゼル車」で日本の「ハイブリッド車」に対抗しようとした。

　しかし、技術的に未熟なVWがアメリカで「排気ガス偽装」をした結果、世界的にディーゼル車に対する忌避の機運が高まった。

　中国はガソリン車が存在する限り、日本には勿論、欧米諸国にも追い付くことは不可能だった。

　その理由は、内燃機関の技術レベルが低い上に、自動車産業を支える部品工業の裾野が無かったことが最大の要因で、独裁政権の強制力で国内のかじ取りをして、EV車に有利な土俵へ移行しようとした。

　内燃機関搭載車の販売を禁止するとか企むのも、ハイブリッド車がまともに造れない国には、EV車シフトが望ましいからなのだ。

●内燃機関の車とEV車を較べると、EV車の方が環境に悪い

　「電気自動車だったら排気ガス出ないんじゃないかというところから興味を持ちました。少し自然を良くするお手伝いができているのかなって、ちょっといい気分です。」という、EV車支持層の考え方を端的に表しているCMが流れている。

　確かにEV車は、「走行中には排気ガスを出していない」のは事実だ。

　しかし自動車を造るには、原材料の確保から、製造工程での環境汚染まで関わる。

　加えて、燃料である「ガソリンや軽油」と、充電に用いる「電気」の生産工程での環境問題も無視してはならない。

　自動車が生まれて、車としての役務を果たし、廃車となってスクラップ処理されるまでの全工程での環境への影響を評価すれば、EV車が「環境に優しい」とは決して言えない。

　煙もくもくの火力発電や、環境汚染に躊躇しないレアース生産の様な、「環境問題」や「人権問題」を無視出来るからこそ、中国が「安価な」EV車に対応出来るだけなのだ。

　「走っている時に排気ガスを出さない」と、単細胞な理由でEV車を選択するのは間違っている。

　EV車にはまだまだ問題点が多数ある。「 # EV車の問題点 」は、まだ次項に続く。（記事：沢ハジメ・記事一覧を見る）

続きは: ネット民のEV議論に情報提供　その4 #EV車の問題点　廃バッテリーの環境負荷　タイヤ負荷