凸版印刷、小中学生向けに防災のデジタル教材開発 学校単位で提供

2023年1月28日 15:48

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「デジ防災」の授業イメージ(画像: 凸版印刷の発表資料より)

「デジ防災」の授業イメージ(画像: 凸版印刷の発表資料より)[写真拡大]

  • 「デジ防災」の生徒用学習画面例(画像: 凸版印刷の発表資料より)
  • 防災レベルの可視化画面イメージ(画像: 凸版印刷の発表資料より)

 凸版印刷(東京都文京区)は1月から、学校児童向けに防災のデジタル教材「デジ防災」の提供を開始した。新型コロナウイルスの影響で実際に集まって避難訓練をするのが難しい子どもたちに、防災教育を届ける。

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 全国の小中学校向けに販売を行い、2025年までに3.5億円の売上を目指す。料金は在校生100人以上の学校なら1校あたり年間15万円、在校生100人未満の学校なら1校あたり年間10万円。デバイスのブラウザを通してオンライン学習ができる。

 対象は小学1年生から中学2年生までで、段階的に学習する。防災教育学会会長の諏訪清二氏など専門家が監修した内容となっている。クイズ形式で各学年10コンテンツ、合計80コンテンツを用意した。

 学習に要する時間は1回あたり10分~15分程度と短時間。学校は、従来の学習カリキュラムを削ることなく、防災教育を導入できる。

 生徒の学習内容はダッシュボードで確認できる。学校単位やクラス単位、地域単位での防災の学習レベルが把握可能だ。地域の防災計画にも役立てられる。

 学校の防災教育の大半は、「避難訓練」を主体としてきた。だがコロナ禍の中で、密になって行う避難訓練を実施することが難しくなってきている。地震や大雨など甚大な自然災害が頻発しており、子どもたちの防災意識をどう高めるかが課題となっていた。

 凸版印刷はこれまで、自治体向け住民見守りサービス「あんしんライト」や、オンライン津波避難訓練システム「リアルハザードビューア」などを開発。防災関係のサービス開発で蓄積した知見を活かして、デジタルデバイスで防災が学習できるサービスをリリースした。

 現在、小中学校には「GIGAスクール構想」によって1人1台デジタルデバイスの配置が進んでいる。この環境を活かして、防災教育を学校に届ける考えだ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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