17日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で5日ぶり反落、薬明生物6.1%下落

2023年1月17日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 17日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で5日ぶり反落、薬明生物6.1%下落
17日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比169.08ポイント(0.78%)安の21577.64ポイントと5日ぶりに反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が36.30ポイント(0.49%)安の7314.04ポイントと続落した。売買代金は1267億2000万香港ドルに縮小している(16日は1407億6960万香港ドル)。


売り圧力が意識される流れ。ハンセン指数は前日まで4日続伸し、足もとで約半年ぶりの高値水準を切り上げていた。週末からスタートする春節(旧正月)の大型連休を前に、買いを手控えるスタンスも広がっている。取引時間中に公表された中国経済指標はそれほど悪い内容ではなかったものの、好感する買いは限定された。注目の2022年中国国内総生産(GDP)成長率は前年比3.0%となり、市場予想(2.7%)を上回っている。ほか、12月の小売売上高は前年同月比で1.8%減少したが、マイナス幅は、市場予想(9.0%減)と11月実績(5.9%減)から大幅に縮小した。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が6.1%安、ガラス生産の信義玻璃HD(868/HK)が5.1%安、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が4.1%安と下げが目立った。薬明生物技術に関しては、筆頭株主のWuXi Biologics Holdingsによる保有株の一部売却がネガティブ材料。同社は、創業者で董事長の李革氏が保有する投資持ち株会社だ。


セクター別では、医薬品・医療機器が安い。上記した薬明生物技術のほか、康希諾生物(6185/HK)が7.1%、中国神威薬業集団(2877/HK)が5.3%、緑葉製薬集団(2186/HK)が4.0%、上海微創医療機器人集団(2252/HK)が8.9%、微創医療科学(853/HK)が4.7%ずつ下落した。


中国保険セクターもさえない。新華人寿保険(1336/HK)が3.3%安、中国人寿保険(2628/HK)が3.2%安、中国平安保険(2318/HK)が2.4%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.1%安と値を下げた。


マカオのカジノ関連も売られる。美高梅中国HD(2282/HK)が4.5%安、永利澳門(1128/HK)が3.8%安、新濠国際発展(200/HK)が3.4%安、金沙中国(1928/HK)が2.8%安で引けた。


半面、スマートフォン部材や半導体などハイテク関連の一角は物色される。瑞声科技HD(2018/HK)が2.5%、舜宇光学科技(2382/HK)と高偉電子(1415/HK)がそろって2.4%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が4.7%、中芯国際集成電路製造(981/HK)が0.9%ずつ上昇した。


一方、本土市場は4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.10%安の3224.25ポイントで取引を終了した。医薬品株が安い。消費関連株、保険株、公益株、エネルギー株、空運株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。銀行・証券株、不動産株、軍事関連株も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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