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アウトドア市場で興味深い、中国の存在&国内の新たな動き
10月26日の企業・産業欄に『スノーピークの下方修正の理由に感じる「?」とアウトドア市場の今後』と題する一文を投稿した。スノーピークの12月期の着地は、下方修正後の通期予想とほぼ同水準になりそうだ。
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だが四季報新春号は今2023年12月期について「13.2%増収(360億円)、29.8%営業増益(50億円)、33.1%最終増益(33億円)」と独自予想、「最高益」と記している。そのこと自体は媒体の独自見解に基づくものであり、どうこうの言う立場にはない。が、業績欄にはその理由として、「中国市場が急拡大」「キャンプ市場の需要追い風に値上げで粗利益改善」が記されていた。
改めて「アウトドア市場動向」、「(全く眼中になかった)中国市場のアウトドア状況」を調べてみた。
11月10日付けで矢野経済研究所は「国内アウトドア市場の推移・予測」発表している。それによると2022年度は3475億6000万円(見込み)、25年度は3706億9000万円(予測)。ただこの間の前年度比の伸び率は低下傾向。高原状態の推移、としている。
中国市場動向についてはiiMediaの調べでは、キャンプ場の市場規模は2014年から2020年にかけて77.1億元から168億元に増加。21年には299億元と成長率78.0%。22年は18.6%増の354.6億元。「ブームとまではいかないが、相当大きな市場。ミニキャンプ×スポーツ、ミニキャンプ×レジャーを中心に広がりが予想される」としている。この限りでも国内の高原状態を受けスノーピークが「中国市場に成長の活路を」というのは、頷ける。
そしてアウトドア市場の今後に関しては、興味深い動きも見られ始めている。
双日は小型キャンピングカー:リベロを10月下旬から売り出した。ベースになったのはトヨタの小型商用車「タウンエース」。双日はリベロを軸に「3年後に年間1000台のキャンピングカーの販売を目指す」としている。またオートバックスセブンではダイハツの軽商用車「ハイゼットカーゴ クールズターボ」をベースにした小型キャンピングカー:GMLVAN S-01を開発、販売するという。
日本RV協会では「21年のキャンピングカーの販売台数は前年比7%増の約8600台、累積保有台数13万6000台。今後も市場は伸びる傾向にある」としている。
こんな情報も伝えられた。伊藤忠は100年余企業の米国アウトドア用品大手:L・L・イーンの独占販売権を獲得した。
アウトドア市場は今後も、ウオッチする必要がありそうだ。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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