15日の香港市場概況:ハンセン1.6%安で3日ぶり反落、セメント・鉄鋼に売り

2022年12月15日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 15日の香港市場概況:ハンセン1.6%安で3日ぶり反落、セメント・鉄鋼に売り
15日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比304.86ポイント(1.55%)安の19368.59ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が110.90ポイント(1.65%)安の6591.46ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1056億1780万香港ドルに縮小している(14日は1363億6410万香港ドル)。


中国景気の先行きが不安視される流れ。取引時間中に公表された11月の中国経済統計は、消費や投資関連などが事前予想を軒並み下回った。積極的な米利上げの警戒感も再燃している。米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げ幅が予想通りこれまでの0.75→0.50%に縮小されたが、メンバーによる2023年末の金利見通しは9月時点の4.6→5.1%に引き上げられている。香港の中央銀行に相当する香港金融管理局(HKMA)は15日、米利上げに追随し、政策金利である基準金利を4.25→4.75%に0.50ポイント引き上げた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申州国際集団HD(2313/HK)が4.7%安、バイオ医薬品開発受託の薬明生物技術(2269/HK)が4.2%安、インターネット検索中国最大手の百度集団(9888/HK)が4.1%安と下げが目立った。


セクター別では、セメントや鉄鋼など景気動向に敏感な素材が安い。安徽海螺水泥(914/HK)が3.4%、中国建材(3323/HK)が3.3%、華潤水泥HD(1313/HK)が3.0%、鞍鋼(347/HK)が3.9%、重慶鋼鉄(1053/HK)が3.4%ずつ下落した。


管理サービスやデベロッパーの中国不動産セクターもさえない。世茂服務HD(873/HK)が3.2%安、雅生活智慧城市服務(3319/HK)が2.0%安、合景泰富地産(1813/HK)が3.0%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.7%安で引けた。不動産関連の経済指標が一段と悪化している。今年1〜11月の全国不動産開発投資額(名目ベース)は、中国全体で前年同期比9.8%減の12兆3863億人民元(約241兆2200億円)に縮小。8カ月連続のマイナス成長で、減少率は1〜10月の8.8%からさらに拡大した。


医薬品・医療機器関連セクターも売られる。上記した薬明生物技術のほか、康希諾生物(6185/HK)が6.1%安、四環医薬HD集団(460/HK)が4.1%安、上海微創医療機器人集団(2252/HK)が6.0%安微創医療科学(853/HK)が4.3%安で取引を終えた。


一方、本土市場も反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.25%安の3168.65ポイントで取引を終了した。素材株が安い。金融株、エネルギー株、不動産株、運輸株、食品・酒造株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。自動車株、電力設備株、発電株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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