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ビットコイン急落! FTXショックは続くか!?
●バイナンスがFTX買収を断念
世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンスが、FTXの米国以外の事業を買収するとしていた件について、断念するとロイター通信などが報じている。
【こちらも】関東財務局、FTXジャパンに業務停止・改善命令
これを受けて、ビットコインは約20%下落し、イーサリアムも10%下落。その他のアルトコインも売られた。
次々と仮想通貨企業を買収し、有名スポーツ選手と契約を結び、6月からは日本でもサービスを開始していたFTXだが、窮地に追い込まれている。
バイナンスに次ぐ勢力であったFTXの危機は、ビットコインなどの仮想通貨への打撃を与え続けることになるのだろうか?
●買収断念の経緯
バイナンスは声明で、デューデリジェンス(資産査定)の結果に、顧客資産の不適切な取扱い、および米国当局の最新の調査を踏まえて、買収を断念したとしている。
業界第2位の規模であるFTXの買収は、独占禁止法に抵触する恐れもあった。
FTXの子会社の貸借対照表が漏洩し、FTXトークン(FTT)を巡って、債務超過リスクがあったことも断念を決断した要因と言われている。バイナンスは保有しているトークンをすべて売却すると発表している。
FTXトップのバンクマン=フリード氏は最大80憶ドル(約11兆円)の資金調達ができなければ、破産法の適用を免れないと警告しており、予断を許さない状況となっている。
●懸念される仮想通貨全体への波及
10日には関東財務局がFTX Japanに1カ月の業務停止命令などの行政処分を行った。
同じ日、国内で仮想通貨取引所を手掛けるマネックスGやFTXに出資しているソフトバンクGなどの株が売られ、すでに様々な影響が出ている。
今回のFTX騒動を“仮想通貨版リーマンショック”に例える見方もあり、合併・買収がうまくいかなければ、破綻を選択せざるを得なくなることもあり得る。
株式相場全体がリーマンショック級の危機にまで発展するかは想像がつかない。
インフレにピークアウトの兆候が見え、利上げペースの鈍化が意識され、株式市場にも明るい兆しが見えてきたが、仮想通貨の混乱はリスクとして意識しておくべきかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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