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中小事業者のコロナ破たんは増勢止まらず 旅行関連株は上向くも 東京商工リサーチ
東京商工リサーチは14日、新型コロナウイルスの影響で10月に破たんした国内事業者数が、同日時点で96件(負債1,000万円以上)に達したと発表。9月は過去3番目に多い206件を記録するなど、増勢は止まらない。一方、11日より水際対策の緩和と全国旅行支援が開始したのを受け、ホテルや旅行などのインバウンド関連銘柄の株価は上向いている。
【こちらも】9月の倒産件数は6カ月連続で増加、2022年度上半期も3年ぶりに増加
東京都は14日、コロナの新規感染者が3,495人確認されたと発表した。直近7日間の移動平均は前週比86.9%と減少傾向が見られるものの、12日より3日連続で前の週の同じ曜日を上回った。全国的に感染者は減りつつあるものの、減少スピードが緩やかになりつつある。冬に向けて再び増えるとの見方もある。
ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、日本時間15日午前9時時点における累計の感染者数は、世界全体で6億2,418万人超。国別では、米国が最多の9,693万人超、次いでインドが4,462万人、フランスが3,637万人、ブラジルが3,474万人。日本は夏以降に直近4週間の新規感染者数が世界で最多となったが、足もとの減少傾向を受け5位に下がった。
国内では11日より、海外からの個人旅行が解禁されたうえ、68の国・地域に対するビザ免除措置を再開した。日本は旅行先として人気が高く、足もとの為替水準もあり、外国人旅行客の急増と消費が期待される。コロナ前においてインバウンドの約3割を占めた中国が現在の厳しい感染対策を緩和すれば、日本のインバウンド需要がさらに加速するのはほぼ間違いない。
同じく11日には、全国旅行支援がスタートした。宿泊費の割引と旅行先で使用できるクーポンが主な内容で、円安により日本人の国内志向が高まる中、旅館やホテルの予約を押し上げている。
これら施策・支援の開始を受け、収益回復への期待が高まり、鉄道・航空、ホテル・旅行、小売り業界の株価が堅調に推移している。ロイヤルホテルは14日まで3日連で年初来高値を更新し、JR東日本は1年3カ月前の水準まで戻した。
一方、中小事業者を中心に足もとの経営環境は引き続き厳しい状況が続く。東京商工リサーチの調査によれば、新型コロナウイルスに関連する10月の経営破たん事業者数が既に98件に達し、過去3番目に多かった9月と同程度のペースで推移している。コロナ発生以降の累計件数は4,478件(負債1,000万円未満を含む)。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで4万541人となった。
インバウンドや国内旅行が戻ることで、コロナの影響を強く受けた業界の収益はコロナ前のレベルに回復していくと思われる。一方、コロナ禍で過剰債務を負った中小事業者は、資源高や物価高もあり業績が戻る前にコロナ関連融資の元本返済がスタートしてしまい、資金繰りが厳しい。(記事:dailyst・記事一覧を見る)
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