円安で越境ECが急増 2026年には5兆ドル市場に

2022年9月12日 08:34

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

BEENOSが「越境ECの利用意向」に関するアンケート。円安で日本の越境ECの利用が増えた外国人は63%、台湾で73%。商品はエンタメ関連、ファッション、リユース品など。2026年には4.8兆ドル市場に。

BEENOSが「越境ECの利用意向」に関するアンケート。円安で日本の越境ECの利用が増えた外国人は63%、台湾で73%。商品はエンタメ関連、ファッション、リユース品など。2026年には4.8兆ドル市場に。[写真拡大]

 急激な円安を背景に値上げラッシュが続いており消費に悪影響を及ぼしている。また、コスト上昇を十分価格転嫁できず、経営にマイナス影響を受けている企業が多数派を占めている。しかし、一方で輸出型産業など業種によってはプラスの影響を受けている企業も少なくないが、円安は日本の越境ECの拡大にもプラスの影響を与えているようだ。Eコマース事業を手掛けるBEENOSのレポートによれば、自社の子会社が運営する海外向け購入サポートサービス「Buyee」の2022年第3四半期(4月~6月)の流通総額が、円安を追い風に、前年同期比22.6%増と過去最高を継続しているという。特に北米、台湾、香港、マレーシアでの増加が目立つようだ。

 7月下旬にBEENOSグループが、自社グループの運営するサービス「Buyee」、「Buyee Connect」を利用しているアメリカ、台湾、マレーシア、イギリス在住の顧客約1900名を対象に「越境ECの利用意向に関するアンケート」を実施し、その結果を8月26日に公表している。これによれば、日本の越境ECの利用頻度について、「月に1回以上」と答えた者が全体の56%で、「月に5回以上」は18%、特にマレーシアでは25%と高くなっている。円安後に「利用金額と利用頻度のどちらか、あるいは両方が増えたと」と回答した者は全体で63%、最多は台湾の73%、次いでマレーシアの64%、アメリカ55%、イギリス32%の順となっている。

 「日本の越境ECで購入する商品」を単一回答で聞いた結果では、「おもちゃ・ゲーム・アニメグッズ」が全ての国・地域でトップとなっており、特にアメリカでは55%と高く、イギリスで49%、台湾39%、マレーシア35%の順となっている。アメリカ、イギリスでは「本・CD・DVD・エンタメ」が2位となり、イギリスで21%、アメリカ17%となっている。台湾では「ファッション」が18%で2位、マレーシアでは「リユース品」が20%で2位となっている。

 経済産業省の「令和3年度、電子商取引に関する市場調査、報告書」によれば、越境EC市場は将来的にも拡大が見込まれ、世界の越境EC市場規模は26年には19年の7800億USドルの6倍以上である4兆8200億USドルに達すると見込まれている。BEENOSの調査結果では円安によって日本の越境ECの利用頻度が増えたとの回答が6割を超えており、アジア圏でその割合はより高くなっている。越境ECの拡大はトレンドと言えるが、円安の影響で日本の越境EC市場の拡大が加速しているようだ。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
積水ハウス2-7月期決算 過去最高を更新 通期業績見通しを上方修正
円・ドル、希望相場「110円以上125円未満」企業の75%。137円は悪影響、企業の半数
外国人材の確保難も。円安で企業業績に様々な悪影響広がる

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事