NYの視点:米8月雇用統計:50年ぶり低水準の失業率がFRBの積極的な利上げ支援へ

2022年9月1日 07:36

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記事提供元:フィスコ

*07:36JST NYの視点:米8月雇用統計:50年ぶり低水準の失業率がFRBの積極的な利上げ支援へ
米労働省が発表する最新8月雇用統計で失業率は50年ぶりの低水準付近で推移が予想されている。非農業部門雇用者数も前月比+30万人と、堅調な伸びが示される見通し。

雇用統計の先行指標のひとつ民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の8月分は新しい算出方法で発表が再開された。伸びは前月比+13.2万人と市場予想のほぼ半分にとどまり、2021年初め以来の低いものとなった。一方で、賃金は前年比で+7.6%。転職した労働者の賃金の伸びはほぼ2倍の伸び、+16.1%になったことが分かった。

NY連銀製造業景況指数の雇用(現状)は+7.4と、4月来で最低。6カ月平均+13.4も下回った。週平均就業時間も−13.1と、マイナスに転じる冴えない結果となった。一方で、フィラデルフィア連銀製造業景況指数の雇用(現状)は前月を上回るまちまちの結果。コンファレンスボードが発表した8月消費者信頼感指数の中での調査では、雇用が十分との答えは48%と、2021年4月来で最低となった。先行指標から、雇用が思ったように伸びない可能性もあるが、失業率が50年ぶり低水準を維持するなど、労働市場が依然強いとの見方から、連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げ計画に変更はないと見る。

2022年のFOMC投票権を有するクリーブランド連銀のメスター総裁は「インフレ対処を巡る早急な勝利宣言は間違い」とし、インフレとの闘いは長引くとの見方から、利上げを継続すべきとの考えを示した。また、来年利下げを予想しておらず、来年には政策金利のFF金利誘導目標を4%以上に引上げ、インフレを抑制するためにその水準で維持すべきと、タカ派姿勢を表明した。ドルの上昇も継続か。

■8月雇用統計の先行指標

・米・8月ADP雇用統計:+13.2万人(予想:+30.0万人)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):+7.4(7月18.0、6カ月平均+13.4)
週平均就業時間:−13.1(+4.3、6カ月平均+3.8)

6か月先
雇用:+30.0(22.5、6カ月平均25.5)
週平均就業時間:-10.9(-9.6、6カ月平均−0.4)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):24.1(19.4、6カ月平均29.6)
週平均就業時間:6.1(6.4、13.8)

6か月先
雇用:25.1(16.5、6か月平均26.8)
週平均就業時間:4.4(3.4、6か月平均6.3)

・消費者信頼感指数(%)
雇用
十分48.0(49.2、前年同月55.6)
不十分40.6(38.4、33.2)
困難11.4(12.4、11.2)

6カ月後
増加17.4(15.1、23.1)
減少19.3(21.1、18.0)
不変63.3(63.8、58.9)

所得6カ月後
増加15.8(15.3、18.2)
減少14.5(15.5、9.9)
不変69.7(69.2、71.9)

・失業保険申請件数


件数 前週比 4週平均 継続受給者数

08/20/22| 243,000| -2,000| 247,000| n/a |n/a
08/13/22| 245,000| -7,000| 245,500| 1,415,000
08/06/22| 252,000| 4,000| 249,500| 1,434,000

■市場エコノミスト予想
失業率:3.5%(7月3.5%)
非農業部門雇用者数:前月比+30万人(+52.8 万人)
民間部門雇用者数:前月比+30万人(+47.1万人)
平均時給:予想:前月比+0.4%、前年比+5.3%(+0.5%、+5.2%)《FA》

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