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ジャクソン・ホールショックをどう見るべきか?
ジャクソンホールは観光地として知られる。グランドティトン国立公園にあるジャクソン湖。[写真拡大]
●パウエル議長発言で株価急落!?
8月26日に3年ぶりに対面で開催されたジャクソンホール会議における、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の講演を受けて、大幅なドル高・株安となった。
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特にNYダウは1,000ドル以上も下落。パウエル氏は成長が鈍化したとしても、インフレを抑制するまで金融引き締めが必要であるとの認識を示した。
7月のCPIに鈍化傾向が見られ、8月26日に発表されたPCEデフレーターも同じく鈍化傾向が見られたが、パウエル氏は「インフレ低下を確信するには程遠い」と釘を刺した。
パウエル氏の発言はタカ派と捉えられ、市場には利下げと緩和への期待が遠のき、失望売りが広がった格好だ。
●ジャクソンホール会議の歴史
米国・カンザスシティ連銀が毎年夏に開くシンポジウムで、各国の中央銀行の要人や学者などが出席し、議論する。開催地のジャクソンホールは米国有数の観光地で、森や湖に囲まれた自然豊かな所である。
カンザスシティ連銀のシンポジウムは1978年から開催されていたが、当初は農業経済政策をテーマにしていた。開始時は、特に開催場所は固定されていなかったが、1982年からジャクソンホールで毎年行われている。
フライフィッシングが好きなボルカーFRB議長(当時)を呼ぶため、その名所であるジャクソンホールを開催場所に選んだと言われている。
2010年、2012年にはバーナンキFRB議長(当時)が同会合でQE(量的緩和)を示唆し、2014年にはドラギECB(欧州中央銀行)総裁(当時)が追加利下げを示唆するなど、この会合での発言が市場に大きな影響を与えている。
●リーマンショック級の下落になるのか?
パウエル氏はジャクソンホールにゆかりのあるボルカー氏を引き合いに出して、インフレ阻止への決意を語った。ボルカー氏は政策金利を20%にまで上げた人物である。
株価への悪影響は避けられないが、市場関係者には今回のタカ派発言を評価する声も多い。
パウエル氏による楽観的な株式市場へのけん制で、市場は過剰反応したが、9月のFOMCでの利上げは既定路線であり、そこまでのサプライズではないとの見方もある。
依然として、2023年には経済指標の悪化により、利上げにブレーキをかけざるを得ないという声も多く、このまま株価が下落し、リーマンショック級の衝撃となることは考えづらい。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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