日本企業、中国進出にブレーキ コロナで中国集中から分散へ

2022年7月28日 07:57

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記事提供元:エコノミックニュース

帝国データバンクが日本企業の「中国進出」動向調査。新型コロナによるロックダウン政策などでサプライチェーンが寸断

帝国データバンクが日本企業の「中国進出」動向調査。新型コロナによるロックダウン政策などでサプライチェーンが寸断[写真拡大]

 3月下旬、上海市で約2カ月のロックダウンとなり、現在は解除され徐々に正常化されているとはいうものの、中国のゼロコロナ政策による突然の強行策は世界のサプライチェーンを混乱させ、日本企業にも大きな悪影響を与えた。中国のゼロコロナ政策というカントリーリスクを理由に、中国からサプライチェーンの拠点を中国外に分散しカントリーリスクを緩和しようという「脱中国依存」の動きが加速しているようだ。中国のカントリーリスクについては従前から指摘されてきたが、コロナ以降これを重視する企業も増え、今回の上海ロックダウンは日本企業の中国からの撤退を強く後押ししたようだ。

 7月22日に帝国データバンクが「日本企業の中国進出動向調査」の結果を公表している。これによれば、中国進出の日本企業はコロナ前から大きく減少し、ことにロックダウンの上海では200社超が撤退、日本の中国進出企業は過去10年で最も少ない1万2000社まで減少した。同社が保有するデータベース「COSMOS2」及び信用調査報告書ファイル「CCR」、各社の公開情報などを基に中国に進出している日本企業(香港・マカオの両特別行政区を除く)を集計した結果、2022年6月時点で1万2706社が判明した。この10年、中国への進出企業は1万社超で推移してきており、日本企業の中国進出意欲は依然高いが、新型コロナ流行後の20年から940社減少し、過去最高の12年の1万4394社からは1000社超も減少するなど、日本企業の中国進出は減速傾向となっているようだ。

 都市別に見ると、やはり上海市で6028社判明と中国全土で最多となっている。施設別に見ると、工場や物流施設、メインオフィスなどサプライチェーンの中核となる事業所の進出が目立つ一方、ソフトウェア開発などIT企業の進出も目立っている。業種別では、やはり製造業の5125社が全体の約4割を占め最多となっている。世界の工場であり、巨大市場を抱える中国の魅力は大きい。これまでに多くの業種で複雑なサプライチェーンが構築されてきおり、即座に脱中国を行うことは日本企業にとって損失が大きすぎる。というものの、中国当局のゼロコロナ政策は不確実性が大きく、中国に拠点を持つ日本企業の中に不信感が高まっている様子が見られるようだ。今後は中国からの全面撤退ではなく、リスク分散としての「チャイナプラスワン」に向けた調達戦略がより進んでいく可能性が高まって行くとみられる。(編集担当:久保田雄城)

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