沖縄企業2社の連続増配記録は、どちらに軍配が上がるのか!?

2022年5月4日 16:08

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 サンエー(東証プライム市場)には、またしても「やられた」。沖縄県内でスーパーやショッピングセンターを展開する総合小売業。2005年2月期以来21年2月期まで、18期連続増配を続けていた。だが前期の配当予想は「変わらず」の55円配計画。ただここ数年来を振り返るとサンエーには「前科」がある。「変わらず」のはずが、着地と同時に増配という展開だ。

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 前期についても・・・決算次第かなという期待は持ちつつも、第3四半期時点では「うん・・・、今期ばかりは」と諦めた。が結局、騙された。

 着地は0.8%の増収も、9.0%の営業減益。だが5円増配60円配としたのである。ちなみに今2月期の計画は「新型コロナウイルスの感染拡大の影響や原油をはじめとするエネルギー価格上昇等により不透明な経営環境が続くと予想される」としながらも、「3.2%の増収(1062億200万円)、16.8%の営業増益(50億7600万円)」。配当計画は「60円:変わらず」。しかし新年度初月(3月)の既存店売上高「102.5%」を確認、今期こそ「騙されないぞ」という意を強くしている。

 企業(株)を「好き嫌いで論ずるべきではない」という指摘がある。が、私は証券会社関係者でもなければ、ましてや投資顧問業者でもない。あえてサンエーを好きな会社、とする。何故の理由をあげろ、言われれば分かりやすさという観点から「株主優待策」を例に引く。単元株保有者には2000円分のサンエーの商品券が配布されるが、沖縄暮らしの株主ばかりではない。そうした株主には大手クレジット会社の2000円分のギフト券が提供される。

 本稿作成中の時価(以下、同)は、4000円トビ台。予想税引き後配当利回り1.2%弱。PBR面では0.97倍と割安。IFIS目標平均株価は5000円と上値余地あり、と暗示している。過去9年余りの修正値ベースの株価パフォーマンスは約2.4倍。

 ところで沖縄県にはサンエーを含め4社のプライム市場銘柄がある。沖縄電力・琉球銀行・おきなわフィナンシャルグループ。

 だが株価妙味という視点から妙味をそそられるのは、KDDI傘下の沖縄セルラー電話(スタンダード市場)。03年以降前3月期まで20期連続増配(前期は記念配分を除外して増配)。22年3月期も2円増配164円配。今期はいわゆる「企業会計基準第29号」適用で単純比較は難しいが、期中に通期を増額修正。第3四半期時点で売上高730億円:営業利益151億円の上方修正値に対する進捗率は、75%・90%。時価5000円弱。予想税引き後配当利回り約2.6%。IFIS目標平均株価5775円。過去9年余の株価パフォーマンスは約2.7倍。

 どちらを投資対象の俎上に載せるか。生まれ変わったら「株」関係の記事も書くような仕事にはつかず、「悩む」立場になりたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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